2012年08月25日

心理留保但書きと代理権の濫用・・??

こんにちは。


心理留保但書きの類推適用について、代理権の濫用との関係で重要な判例があります。


代理権の濫用と何の関係があるの??と思った方も多いかと思いますが、判例は結構強引な解決をしています。


まず、代理権の濫用とは何?から説明ます。


そもそも代理権の濫用とは無権代理とは違います。


代理権の濫用は代理人に代理権が法律上きちんとあることが前提となります。

その上で、その代理権を自己の為に濫用するのです。


無権代理は元々代理権がないとか、代理権の範囲を超えているとかの話ですのでここでは関係ありません。


では、

登場人物 : A(本人)、B(代理人)、C(相手方


(事例)

Aは年老いて体も自由に動かないので、Bに対してAの所有する車をCに売ってもらえないかと頼み、Bは承諾した。後日Bは、A代理人Bと書かれた委任状をもってCのところへ車を売りに行った。その日に無事車は売れ、代金もその日にBが全額受領した。帰り道、Bは自己の借金の返済の為にその金を充てた。そして姿を消した。


これが代理権濫用の典型的な例です。本来代理権のある代理人が顕名を行い、相手方との間で有効な法律行為を行えばその効果は本人に帰属します。

この場合当然BはAに対して代金を渡さなくてはなりません。しかし、Bは借金の返済に充ててしまった。Aは困りました。さてどうなるのでしょうか?


判例はこの場合、原則代理人のケツは本人がふけと言っています。つまり本人Aが責任を負わなければならないのです。車はCのもので代金はCに対してもう請求はできません。行方知らずのBに対して損害賠償請求なり不当利得返還請求なりすることになります。


Bのような人を代理人に任命したAが悪いということです


しかし、判例はここで、心理留保但書きを持ち出します。(なんで心理留保但書きなのかよくわかりませんが・・・)


つまり、相手方CがBの代理権濫用(代金着服の意図)について知っていたか、簡単に気づくことができたのならその売買契約は無効とするということです。


売買契約が無効ということになれば、Aは当然Cに対して車を返還請求することができます。(所有権に基づき)


Cは代金をBに対して返還請求することになります。


Cが善意無過失の場合と悪意有過失の場合とで事態が逆転してしまいました。


Cが悪意有過失であるということはCもBの代金着服に加担したとみていいだろうから、そんな人を保護する必要はないと考えたんでしょう。Bを代理人として選んだAの落ち度に比べてもCの悪人度合いは数段高いです。


ただAは責任を逃れようとすればCの悪意有過失を立証する必要がありますが。


とまあ、こんな感じです。


たまに行政書士や司法書士試験にも出てきます。公務員試験(2種程度)にはあまり出てこないかも・・


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posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 10:38| Comment(0) | (民法)心理留保 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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