2012年09月05日

相殺ってなんか頭が混乱する?? (2)

今日は前回の相殺の続きです。

前回は‘不法行為による損害賠償請求権を受働債権として相殺することはできない’を説明しました。

では、、今日は‘同時履行の抗弁権の付いた債権を自働債権として相殺することはできない’の意味を解説します。

これもまた読んだだけで一発で理解できる人は少ないのではないでしょうか?

では、

登場人物:A(売主・借主)、B(買主・貸主)

(事例)
AはBと100万円の宝石の売買契約を交わした。引渡も支払いもまだ済んでいない。その昔、AはBから100万円借りていた。弁済期が到来してもBは支払おうとしない。当然Aもまだ引渡していない。Aは代金債権と貸金債務を相殺して決済することができるか?

う〜ん、売買契約は有効に成立して、その結果Aは代金債権を持っている。そして、Aには貸金債務が
ある。これだけ見れば相殺できるじゃん!と思うかもしれませんがそうは問屋がおろしません。

なぜなら、Bには同時履行の抗弁権という権利があります。これを一方的に奪うことはできません。

同時履行の抗弁権とはその名の通り、同一の双務契約から発生した対価性のある債務を同時に履行してもらうという権利です。(533条)

Bには‘宝石の引渡と同時でなければ代金は支払わない’とAに言える権利があるのです。

ここで、Aが一方的に代金債権と貸金債務を相殺することができるとすると、Bの引渡債権だけが残るという事になります。

つまり、Bはまだ引渡を受けていないのにAの一方的な意思表示により代金をわされたということになってしまうのです。Bの同時履行の抗弁権が一方的に害されています。

これを許さないためにAは代金債権と貸金債務を相殺して決済することができません。

(結論)
Aは代金債権を自働債権として相殺することはできない。

では、Bの同時履行の抗弁権が邪魔で相殺ができないのなら、この同時履行の抗弁権を取り除いてやれば、相殺は可能なのでは?と思われる方もいるのではないでしょうか?この点は次回にでも・・




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posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 10:38| Comment(0) | (民法)相殺 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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