2012年09月15日

(民法)抵当権の物上代位性について〜3

では、物上代位について重要な判例を解説します。

転貸賃料債権に対しての物上代位についてです。

(判例3)
抵当不動産の賃借人がその不動産を第三者に転貸している場合、右賃借人は所有者とは異なり、被担保債権の履行について物的責任を負うものではなく、自己に属する債権を被担保債権の弁済に供される立場にはないから、抵当権者は法人格を濫用し、または賃貸借を仮装した上で転貸借関係を作出したものであるなど、抵当不動産の賃借人を所有者と同視することを相当とする場合を除き、抵当権者は右賃借人が取得する転貸賃料債権について物上代位権を行使することができない。

ちょっと長くなってしまいましたが、原則例外をしっかり押さえましょう。では説明します。



(事例)
Aは債務者Bに対する金銭債権を被担保債権としてB所有の建物に抵当権の設定を受けた。その後、Bはその建物をCに対して貸した。さらにその後、Cはその建物をDに対して又貸し(転貸)した。(Bの承諾あり)AはCが取得するDに対する転貸賃料債権に対して物上代位権を行使できるか?

整理します。

A(抵当権者)、B(債務者・設定者・賃貸人)、
C(賃借人、転貸人)、D(転借人)

ですね。

結論としては、原則、Aは転貸賃料債権に対して物上代位権を行使することはできません。

確かに転貸賃料債権は抵当権の目的物から生じている債権ではありますが、賃借人Cは設定者Bと違ってなんら物的な責任を負っていません。責任を負うべきはBなので、Cが取得する転貸賃料債権に対しては物上代位できないのが筋ですね。これが原則です。

では、例外の場合は?

この場合、判例は法人格の濫用という言葉を用いています。

つまり、Bが悪巧みを考えます。転貸賃料債権には物上代位権が及ばないことをいいことに、Cという賃借人(会社)を作り出してその会社がDに対して又貸し(転貸)したことにするのです。そうすれば、Cが取得する転貸賃料債権には物上代位することができません。法人格を濫用してますよね。実質、BとCが同一なんです。

判例は、こういう場合はBとCが事実上同一であると見て、Cが取得する転貸賃料債権について物上代位することができるとしているのです。これが例外の場合です。

原則と例外をしっかり理解して覚えてしまいましょう。

物上代位については今回で終了とさせていただきます。質問ある方はコメントからどうぞ。




お読みいただきありがとうございました。

少しでも役に立ったと思われた方、ポチッとお願いいたします。

にほんブログ村 資格ブログ 行政書士試験へ
にほんブログ村


ラベル:抵当権 物上代位
posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 09:43| Comment(0) | TrackBack(0) | (民法)抵当権 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック

▲ページの先頭へ