2012年09月15日

(民法)抵当権に遅れる賃貸借は保護されるか・・?(1)


抵当権ばかり解説しておりますが、重要なので今回も抵当権関係です。

さて、抵当権は担保価値を把握する権利なので、担保物の使用収益権は設定者にあります。ですから、設定者は当然、抵当目的物を賃貸することもできるわけです。

確かに賃貸借の物権化と言われるように、賃貸借は法律上かなり保護されていますが、では、抵当権に劣後する賃貸借は果たして保護されるのでしょうか?

世の中には抵当権に劣後する賃貸借などいくらでもあります。ですから問題となります。




(事例)
AはBを債務者とする金銭債権を被担保債権としてBの所有する建物に抵当権の設定を受けた。そして登記も備えた。その後、Bはその建物をCに賃貸した。Cは現にその建物に住んでいる。この場合、Bの債務不履行によるAの抵当権実行により、買受人Dが登場した場合、賃借人Cの立場はどうなるのか?

う〜ん、CはAに劣後するから、買受人Dに対しては建物の占有権原がないから・・Cは不法占拠状態となってDから立ち退き要求をされればすぐに立ち退かなければいけない・・まぁ、これが筋でしょうか?

しかしここで、民法395条第1項の出番です。

抵当権者に対抗することができない賃貸借により抵当権の目的である建物の使用又は収益をするものであって次に掲げる者(抵当建物使用者)はその建物の競売における買受人の買受の時から6カ月を経過するまでは、その建物を買受人に引き渡すことを要しない。

次に掲げる者として、競売手続きの開始前から使用又は収益をする者

があります。

この条文の通り、CはDの買受の時から6ヶ月間は退去しなくてもいいのです。当然Dはその間は立ち退き要求はできません。一応、6ヶ月間はCを保護するという規定になります。その間に他の場所を探して移転してくださいということでしょう。

ただ、買受の時からDは建物の所有者ですから、Cに対して賃料相当額を請求することができます。
なぜ、賃料ではないかと言うと、DとCには賃貸借契約が存在していないからです。あくまでも賃貸借契約が存在しているのはBとCです。賃貸借契約そのものは買受の瞬間に終了しています。

だから、請求できるのは賃料相当額なのです。

ちなみに、Cがその賃料相当額を滞納した場合、Dは1カ月分以上の支払いを、相当期間を定めて催告し期間内に履行がなければすぐに立ち退き要求できることになっています。(395条2項)

(結論)
CはDが認めれば当然賃借を続けられるが、Dが立ち退きを要求すれば出ていかなくてはいけない。ただし、買受の時から6か月は退去しなくてもよい。しかし、賃料相当額の支払いを怠れば退去しなくてはならない場合もある。

こんなところでしょうか。




これにはまだ続きがありますので、それは次回にでも。お読みいただきありがとうございました。

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posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 19:20| Comment(0) | (民法)抵当権 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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