2012年09月17日

(民法)父親を殺害し、刑に処せられた息子は母親を相続できるのか?(2)




前回の続きです。


相続欠格について、


民法891条第1項2号を見てみましょう。

被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、または、殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。


とあります。


この条文の意味がお分かりになりますでしょうか?





では事例です。


(事例)
父親Aと母親Bの間に実子CとDがいます。ある日、Dが父親Aを殺害し、逮捕され、有罪判決を受けました。しかし、実はCは、Dが父親Aを殺害したことを当初より知っていたが、警察に対してそのことを黙っていました。Cは父親Aを相続することはできるのか?



すさまじい内容の事例ですが、現実に起こりえる内容です。(やるせないですが・・)


では、

この場合、殺害者であるDが父親Aを相続できないのは民法891条第1項1号の通りです。



さて、ではCはAを相続できるのか?Cは警察にDのことを告訴していません。



条文を確認しましょう。


被相続人の殺害されたことを知って告訴しなかった者。ただし、殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。


ですね。


殺害者いうのはDのことです。自己というのはCのことです。CはDが殺害したことを知って告訴していないんです。殺害者Dは自己Cの配偶者でも直系血族でもありませんね。傍系血族です。だから、ただし書きは適用されません。ですので、原則通り、Cは知っていて告訴しなかった者として相続欠格者ということになります。


(結論)
Cは相続欠格者として父親Aを相続することはできない。



しかし、殺害者が仮に母親Bであった場合は、Cは告訴しなくても但し書きがで適用され相続することはできます。殺害者Bは自己Cの直系血族だからです。(直系血族の告発は人情の面で忍びないということを民法は考慮しているんですね。)



あとは、Cに是非弁別能力がなければ告発しなくても当然、相続できます。是非弁別能力がなければ告訴・告発が何のことか分かりませんから・・



なかなかごちゃごちゃになりやすいところですから、しっかり押さえておきましょう。




お読みいただきありがとうございました。



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posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 14:05| Comment(6) | TrackBack(0) | (民法)相続 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
行政書士に短期合格された方のブログ、励みになります。
私も専業主婦からの行政書士短期合格をめざします!
Posted by Hanna at 2012年09月17日 21:17
Hanna 様

コメントありがとうございます。2ヶ月で行政書士の合格を目指すとはこれまたスゴイ!
是非、合格勝ち取ってください。応援しております。もしこのブログがほんの少しでもお役に立てるのであれば幸いです。
Posted by 行政書士 安居寛文 at 2012年09月17日 21:32
ありがとうございます。がんばります!

リンク貼らせていただきました。

これからもページを参考にさせていただきますね^^
Posted by Hanna at 2012年09月18日 12:35
Hanna 様

リンクありがとうございます。私もリンクさせていただきました。試験まであと少しです。気合いで頑張ってください!
Posted by 行政書士 安居寛文 at 2012年09月18日 13:23
Cは告訴(刑訴231条2項)。
Posted by みやど at 2014年07月31日 16:11
みやど様、

ご指摘ありがとうございます。その通りですね。Cは告訴権者であって、この場合、告発ではありませんね。改めて見返して気づきました。
Posted by YASUHIRO at 2014年07月31日 20:12
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