2012年09月25日

(民法)質権について〜不動産質(2)



不動産質の続きです。



(事例)
AはBに対しての金銭債権を担保するため、Bの所有する土地に質権の設定を受け、土地の引渡を受け、登記を備えた。その後、Aが建物をBに返還した場合、質権はどうなるのか?また、第三者対抗力はどうなるのか?


不動産質については、その性質に反しない限り、抵当権の規定を準用します(361条)


つまり、不動産質の第三者対抗要件は‘登記'なのです。(動産質では第三者対抗要件は占有の継続でした。)


事例では、質権者Aが設定者Bに対して質物を返還しています。


まず、質権自体について、


動産質と同じで消滅しません。



では、第三者対抗力について、


質権の第三者対抗要件は登記です。Aは既に質権の登記を備えていますから、占有を失ったとしても第三者対抗力は失われません。以上。



ちなみに、不動産質も占有改定では成立しません。


では、問題です。


(問題)
AはBとの間でB所有の不動産に質権を設定する契約をした。目的不動産がBからCに賃貸中であった場合には、BがAの承諾を得て、Cに対して質権設定の事実を通知したときであっても、AB間の質権設定契約は、要物性を満たしていないから、効力を生じない。


どうでしょうか?ちょっと応用問題になります。



(答え)×


ではなぜでしょうか?一見、要物性を満たしていないような気もします・・


ここで登場するのが、民法184条です。


(184条)
代理人によって占有をする場合において、本人がその代理人に対して以後第三者のためにその物を占有することを命じ、その第三者がこれを承諾した時は、その第三者は、占有権を取得する。


とあります。指図による占有移転の条文です。


Aは条文上の第三者、Bは条文上の本人、Cは条文上の代理人にあたります。


Bは占有者(賃借人)であるCに対して質権設定の事実を通知しています。これは、つまり、以後、Aのためにその物を占有することを命じている'わけですね。


そして、Aはそれを承諾しています。


指図による占有移転の完成です。


よって、質権設定契約は要物性を満たしており、有効に成立します。




お読みいただきありがとうございました。


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タグ:不動産質
posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 17:25| Comment(0) | TrackBack(0) | (民法)質権 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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