2012年10月01日

(民法)94条2項の類推適用



今回は、94条2項の類推適用についてです。

まず、94条通謀虚偽表示の事例です

(事例)
A強制執行を免れるため、Bと通謀してとりあえず登記名義をBに移転した。しかし、Bは登記名義が自分意にあるのをいいことに、通謀の事情を知らないCに対して当該土地を売却した。登記名義はまだCに移転していない。この場合、AはCに対して所有権を主張することができるか?
94条には、

(94条)
1項 相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。
2項 前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。



AとBの間には真に土地を売買するという意図はありませんから、虚偽の意思表示ということになります。この意思表示は無効になると94条は言っています。よって、売買契約は当然無効となます。


さらに2項は、この無効を善意の第三者には対抗できないとしています。

これは通謀による虚偽の外観(虚偽の登記)を信頼して新たに取引に入ってきた者を保護しようとする規定です。ですので、Cは登記を備えていなくても善意であれさえすれば所有権をAに対抗することができます。

本来であれば、不動産には公信力がないので、登記を信頼して新たに取引に入ったものは保護されません。

しかしながらこの場合は、Aの通謀虚偽という帰責性が高いため、Cの善意を条件として、法律が特別にCを保護したものです。

(答え)
Cは登記がなくとも善意であれば所有権をAに対抗することができます。

では94条2項の類推適用についてです。

(事例)
BはA所有の不動産のA名義の登記を勝手に書類を偽造して、自己の名義に移転した。しかし、そのことを知ったAはそれを放置ていた。その後Bは善意のCに対して当該土地を売却した。この場合、AはCに対して当該土地の所有権を主張することができるか?

今回の事例は、先の事例とはAとBの通謀がないという点で異なります。

であるならば、通94条2項の規定は適用できず、第三者Cは登記に公信力がない結果、たとえ善意であっても原則どおり土地の所有権を取得することはできないように思われます。

しかし、判例は、Aの「知りつつ放置していた」部分に注目し、これを通謀虚偽表示とはいえないけども、Aの帰責性を認め、94条2項を類推適用できるとしました。

その結果、Aは善意の第三者Cに対して、その所有権を主張できないこととなります

Aは知りつつ放置していたんだから仕方ないでしょ。ということです。




お読みいただきありがとうございました。

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posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 21:29| Comment(0) | TrackBack(0) | (民法)その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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