2012年10月02日

(憲法)国会議員の免責特権



国会議員には免責特権なるものが認められています。

その内容は、第51条です。

(51条)
両議院の議員は、議院で行った演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。


この条文の趣旨は、国会議員の議院での自由な発言等を保障し、責任を問われることはないとすることによって、審議体としての国会の機能を十分確保しようとするものです。


・免責の対象は誰?

衆参両議院→当然対象です。

国務大臣→対象にはなりません。(国務大臣兼国会議員の場合は国会議員としての発言等のみ免責特権の対象となる)

地方議員→対象とはならない。



・議院で行ったとは?

議院の活動であれば、会期中か否か、国会議事堂内かどうかは関係ない。

例えば、委員会での継続審議、参議院の緊急集会、地方公聴会等でも議院で行ったといえる。


・免責の対象となる行為は演説、討論又は表決に限定されるか?

限定されません。→国会議員の職務遂行に付随する行為も広く含みます。(判例)


・国会議員がその地位を失った場合は、在任中の発言等について責任を問えるか?

問えません。これを可能にしてしまうと、国会議員の活動を委縮させてしまうことになります。



・免責の内容は何?

国会議員が院外で問われない責任とは、一般国民であれば負うべき民事・刑事上の法的責任です。

例えば、名誉棄損による不法行為損害賠償責任(民事責任)/名誉棄損罪(刑事責任)です。


・国会議員が国会質疑等で人の名誉を侵害する発言等を行った場合、国会議員個人に法的責任を問う事はできるか?また、国家賠償責任は生じるのか?

(最判平9.9.9-病院長自殺事件)※抜粋
本件発言は、国会議員である被上告人竹村によって、国会議員としての職務を行うにつきされたものであることが明らかである。そうすると、仮に本件発言が被上告人竹村の故意又は過失による違法な行為であるとしても、被上告人国が賠償責任を負うことがあるのは格別、公務員である被上告人竹村個人は、上告人に対してその責任を負わないと解すべきである(最高裁昭和28年(オ)第625号同30年4月19日第3小法廷判決・民集9巻5号534頁、最高裁昭和49年(オ)第419号同53年10月20日第2小法廷判決・民集32巻7号1367頁参照)。したがって、本件発言が憲法51条に規定する「演説、討論又は表決」に該当するかどうかを論ずるまでもなく、上告人の被上告人竹村に対する本訴請求は理由がない〜

〜国会議員が国会で行った質疑等において、個別の国民の名誉や信用を低下させる発言があったとしても、これによって当然に国家賠償法1条1項の規定にいう違法な行為があったものとして国の損害賠償責任が生ずるものではなく、右責任が肯定されるためには、当該国会議員が、その職務とはかかわりなく違法又は不当な目的をもって事実を摘示し、あるいは、虚偽であることを知りながらあえてその事実を摘示するなど、国会議員がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したものと認め得るような特別の事情があることを必要とすると解するのが相当である。


以上から、国会議員個人は責任を負わないが、国の責任は特別の事情がある場合は生じる可能性があるとしています。


・政治的責任は負うか?

免責されるのはあくまで法的な責任であり、所属政党等の行う処分等の政治的・道義的責任は負うとしています。





お読みいただきありがとうございました。


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ラベル:免責特権
posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 13:50| Comment(0) | TrackBack(0) | (憲法)統治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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