2013年03月03日

民法第534条 債権者の危険負担について その2



前回は民法第534条第1項について解説しました。


今回はその続きの民法第534条第2項についてです。


ここはかなり難易度の高いところになりますので注意が必要です。


では条文から、


民法第534条第2項
不特定物に関する契約については、第四百一条第二項の規定によりその物が確定した時から、前項の規定を適用する。


条文としては短いですが、この条文を理解するためにはまず、第401条2項を理解しなくてはなりません。


第401条 種類債権 
1 債権の目的物を種類のみで指定した場合において、法律行為の性質又は当事者の意思によってその品質を定めることができないときは、債務者は、中等の品質を有する物を給付しなければならない。
2 前項の場合において、債務者が物の給付をするのに必要な行為を完了し、又は債権者の同意を得てその給付すべき物を指定したときは、以後その物を債権の目的物とする。



種類債権の規定です。(別名、不特定物債権)


では、種類債権とは何か?


言い代えると、‘一定の種類に属する物の一定量を引き渡す債権のこと’となります。

例えば、家電量販店にて、新品のテレビを一台注文したとしましょう。家電量販店にそのテレビは在庫として多数あり、一台注文し売買契約が成立した段階では多数ある内のどのテレビを目的として契約したのかは分かりません。


この段階で買主が持つ債権のことを種類債権(不特定物債権)と言います。


では、不特定物である売買契約の目的物(テレビ)が具体的に多数ある内の一台のテレビに特定されるのはいつなのでしょうか?


ここで401条2項の出番です。


条文では‘債務者が物の給付をするのに必要な行為を完了し、又は債権者の同意を得てその給付すべき物を指定したとき’に債権の目的物とする(特定する)と言っています。


次の場合に特定します。
==========================
1、債務者が物の給付をするのに必要な行為を完了

2、債権者の同意を得てその給付すべき物を指定したとき
==========================


1、について

これは判例上さらに大きく2つにわけることができます。


A、持参債務の場合
B、取立債務の場合


Aについて、

持参債務とは債務者が債権者の元へ届ける債務という意味です。


この場合、テレビは家電量販店(債務者)が買主(債権者)の元へ届けるということになります。


この持参債務の場合の‘債務者が物の給付をするのに必要な行為を完了したとき’とは、例えば家電量販店が直接買主宅へ出向きテレビを持参し引き渡した時が考えられます。


この時に不特定物であったテレビが特定されることになります。


Bについて、

取立債務とは債権者(買主が)債務者(家電量販店)まで取りに行くという意味です。


通常は持参債務ですが、特約を結んだような場合は取立債務もあり得ます。


この取立債務の場合の‘債務者が物の給付をするのに必要な行為を完了したとき’とは例えば、家電量販店が在庫から一台のテレビを選び出し、買主にそれを通知した時が考えられます。


この時に不特定物であったテレビが特定されることになります。

ちなみに民法は持参債務を原則としています(484条後段)


2、について

これは債権者(買主)の購入現場での同意の下に家電量販店がテレビ1台を指定したような場合です。この指定のときに特定します。その場で特定してしまうケースですね。



ちょっと長くなりそうなので、今日はこの辺で。続きは次回になります。



不特定物の特定化を理解してしまえば、534条2項はそんなに難しいことはありません。


お読みいただきありがとうございました。




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民法一筋に生きた我妻先生の「民法案内」
posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 19:11| Comment(2) | TrackBack(0) | (民法)危険負担 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。
行政書士試験に2度挑戦も惨敗。
もう諦めようかと思いつつも未だ行政書士関連のブログを渡り歩いています。
こちらのブログはわかりやすく大変勉強になります。
今後も拝見させていただきます。
Posted by アワン at 2013年03月11日 15:31
アワン 様

ご訪問ありがとうございます。

せっかく2年も頑張ったのですから諦めてはもったいないです。応援しておりますので是非合格を勝ち取ってください!
Posted by 資格アドバイザー YASUHIRO at 2013年03月12日 15:01
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