2013年03月17日

売主の担保責任シリーズ〜民法561条 他人物売買



今回からは売主の担保責任について解説していきます。


売主には売主であるというだけで法律上責任を負わなければならない場合があります。さらにその全てが無過失責任という重たい責任です。


民法560条以下はその売主の無過失責任について規定されています。(無過失責任とは過失があろうがなかろうが責任を負うということです)


では、今回はそのトップバッターである他人物売買についての売主の担保責任です。


第561条 他人の権利の売買における売主の担保責任
前条の場合において、売主がその売却した権利を取得して買主に移転することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の時においてその権利が売主に属しないことを知っていたときは、損害賠償の請求をすることができない。


この条文が他人物売買についての売主の担保責任についての規定です。


おっと、その前に、他人物売買について少々説明しておきます。


他人物売買とは、他人の物を目的物として売買することができるということを意味しています。


‘そんなことできるの?'とか思う人もいるかもしれませんが、法律上特に問題ありません。というのも他人物売買というのは実務上よく使われます。


例えば、商店AにBがテレビを買いに来たが、お目当てのテレビがなかった場合、商店Aの店主はテレビの在庫がないにも関わらず、そのテレビをBに売ってしまいます。


どういうことかというと、商店Aはそのテレビを後々、メーカーや問屋から仕入れることができるので、今売っても別に問題ないと考えるからです。


つまり、商店AとBが売買契約を交わした瞬間は、テレビの所有権はメーカーや問屋(他人)にあるにもかかわらず、そのテレビを商店AはBに売った。これが、他人物売買なのです。


では、他人物売買を理解できたところで、他人物売買の売主の責任について説明します。


第560条 他人の権利の売買における売主の義務
他人の権利を売買の目的としたときは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う。


他人の物を勝手に売ったところでその所有権が買主に移るはずもありません。


売主が所有者(他人)から所有権を取得して初めて買主に所有権が移転します。


では、売主が所有者(他人)から所有権を取得することができなかった場合はどうなるのでしょうか?

561条は、

善意の買主は契約の解除と損害賠償請求

悪意の買主は契約の解除のみ


できると規定しています。


善意の買主が契約の解除と損害賠償請求ができるのは納得いくのですが、悪意の買主にまで契約の解除を認めるのはなぜなんでしょうか?


悪意であるということは売主に所有権がないということを買主が知っているという事なので、先の事例で説明すれば、商店Aにテレビの所有権がないと知っていてBはテレビの売買契約を交わしたということになりますね。


この場合、いくらBが悪意であったとしてもテレビを商店Aが入手してくれなければ、Bの期待を裏切ることになってしまいます。その期待の裏切りに対してBは契約の解除のみならできるとしたのです。


実務上、悪意の他人物売買はよく行われますから、買主の保護も必要だろうと考えたのです。


【問題】
買主は、他人の権利の全部が売買契約の目的物である場合に売主が当該権利を取得して買主に移転することができないときは、契約の時に悪意であったとしても契約を解除することができるが、損害賠償を請求することはできない。



【答え】





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posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 20:35| Comment(0) | TrackBack(0) | (民法)売主の担保責任 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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