2013年04月27日

売主の担保責任シリーズ〜民法562条 他人物売買




前回は買主側からの契約解除と損害賠償請求について解説しました。


では、売主側には契約解除や損害賠償などの規定は存在するのでしょうか。


つまり、売主が自らの所有物であると信じて疑わず販売したが、実はその商品は他人の所有物であった場合などについて問題となります。


条文を確認してみましょう。


第562条 他人の権利の売買における善意の売主の解除権

1 売主が契約の時においてその売却した権利が自己に属しないことを知らなかった場合において、その権利を取得して買主に移転することができないときは、売主は、損害を賠償して、契約の解除をすることができる。
2 前項の場合において、買主が契約の時においてその買い受けた権利が売主に属しないことを知っていたときは、売主は、買主に対し、単にその売却した権利を移転することができない旨を通知して、契約の解除をすることができる。



1項について、

‘売却した権利が自己に属しないことを知らなかった場合’とは、つまり自己のものであると信じていたという場合を指します。


この場合に、真の所有者から所有権を取得できずに買主に権利を移転できない場合、売主が契約の解除をすることができるのです。


しかしながら、何も事情を知らない買主は一方的に契約解除をされたのではたまったもんではありませんから、善意の買主に対しては売主は損害賠償をしなければならないのです。



2項について、


今度は買主が悪意の場合です。つまり、商品が売主のものではないという事を知っている場合です。


この場合、売主は権利を移転することができないという事を通知して、一方的に契約解除をすることができます。


売主⇒善意 買主⇒悪意 ですからまぁ当然の結論と言えそうですね。


それにしても売買契約時に売主が善意で買主が悪意という状況はそう滅多にはなさそうな気もしますけどね…


【問題】
他人の権利を売買の目的とした場合には、売主は、契約の当時売却した権利が自己に属しないことを知らなかったときでも、契約を解除することができない。



【答え】
×



【番外編】

前回、他人物売買の悪意の買主は契約の解除のみができると解説しましたが、実は判例において、損害賠償を認めるケースもあります。


民法561条を根拠にして損害賠償請求をすることはできませんが、実は民法415条を根拠にして請求することが可能なのです。


第415条 債務不履行による損害賠償
債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。債務者の責めに帰すべき事由によって履行をすることができなくなったときも、同様とする。


例えば、売主が買主に対して‘確実に真の所有者から所有権を譲り受けることができます'と契約時に説明したのに売主の過失で真の所有者から所有権を取得できす、買主に権利移転できなかった場合、


買主は悪意なので561条ではなく415条を根拠に過失ある売主に対して債務不履行による損害賠償請求をすることができます。



今回はこの辺にて。次回は一部他人物売買について解説させていただきます。




お読みいただきありがとうございました。



順位が下がってしまいました…汗
ポチっとよろしくお願いいたします。

 ↓

にほんブログ村 資格ブログ 行政書士試験へ

posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 20:54| Comment(0) | TrackBack(0) | (民法)売主の担保責任 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック

▲ページの先頭へ