2013年04月28日

売主の担保責任シリーズ〜民法563条 一部他人物売買



今回は一部他人物売買についての解説です。


一部他人物売買とは目的物の一部が他人に属している物の売買のことです。


【事例】
Aが死亡し、子供(相続人)であるBとCがそれぞれAの土地を相続した。その後、BはDに対して土地の全部を売却した。(Dは土地全てがほしい)しかし、Cは自らが相続した土地の持分を譲渡する気は全くない。

この場合、Dは民法上どのような手段を取ることができるのか?


Bは弟のCを説得できる腹積もりでDに土地を売却したのでしょうが、とんだ誤算だったようですね。


ではDの取り得る手段として条文を確認してみましょう。


第563条 権利の一部が他人に属する場合における売主の担保責任
1  売買の目的である権利の一部が他人に属することにより、売主がこれを買主に移転することができないときは、買主は、その不足する部分の割合に応じて代金の減額を請求することができる。
2  前項の場合において、残存する部分のみであれば買主がこれを買い受けなかったときは、善意の買主は、契約の解除をすることができる。
3  代金減額の請求又は契約の解除は、善意の買主が損害賠償の請求をすることを妨げない。



子供が相続した土地(相続財産)は民法上、共有となります。(各持分2分の1)


つまり、BがDとした売買契約は一部他人物売買ということになりますね。


この場合、Dは土地全てについての購入契約を結んでいますので、実は持分2分の1だけしか手に入らないとなると‘なんだそれ〜っ'ってことになってしまいます。


そこで563条は代金減額請求なるものを認めました。


今回の事例でいうと、土地全てを1000万円で売買契約していた場合、移転することができない分の500万円は減額しろとB(売主)に請求することができます。


この代金減額請求はD(買主)が善意であろうと悪意であろうとできるので注意が必要です。


次に、D(買主)が契約の解除をすることができる場合についてです。

2項においては‘残存する部分のみであれば買主がこれを買い受けなかったとき'は善意の買主は契約の解除ができるとありますが、‘残存する部分’とは事例でいけばBの持分のことを指します。


当初Dは土地全てを購入したいという気持ちでいたので、Bの持分のみではおそらく最初から購入しようとはしなかったでしょう。


そのため、‘残存する部分のみであれば買主がこれを買い受けなかったとき'にあたり、善意の買主は契約の解除をすることができます。


ここで注意が必要なのは悪意の買主は契約の解除ができない という事です。(悪意の買主とは契約の当初から土地が共有であるということを知っている買主ということです)


悪意の買主は当初からC持分を取得できないかもしれないという可能性を織り込んでおくべきだと言えるからですね。



では、損害賠償についてはいかがでしょうか?

3項によれば、善意の買主は損害賠償請求をすることができますが、悪意の買主はできません。

善意の買主は保護が必要ですが、悪意の買主にそこまでの保護は必要ないと民法は考えます。



整理できたでしょうか?


代金減額請求⇒善意・悪意の買主

契約解除⇒善意の買主

損害賠償請求⇒善意の買主



結論としてはこうなります。


残るは権利行使期間についてです。

第564条  
前条の規定による権利は、買主が善意であったときは事実を知った時から、悪意であったときは契約の時から、それぞれ一年以内に行使しなければならない。


善意の買主⇒事実を知った時から1年以内

悪意の買主⇒契約の時から1年以内



両方とも事実を知った時からと覚えておけばいいと思います。(悪意の買主は事実を知るのが契約の時だからです)


【問題】
売買の目的とした権利の一部が他人に属しているため、売主がその権利の全部を買主に移転できないときは、買主の善意悪意にかかわらず、代金の減額を請求することができる。




【答え】



お読みいただきありがとうございました。


ゴールデンウィークですね♪
受験生には休みはありませんよ(笑)

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posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 21:32| Comment(0) | TrackBack(0) | (民法)売主の担保責任 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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