2013年04月30日

売主の担保責任シリーズ〜民法565条 数量指示売買




今回は、いわゆる数量指示売買についての解説です。少しややこしい部分もありますが、条文を正しく理解すればなんてことはありません。


ではまず条文からです。


第565条 数量の不足又は物の一部滅失の場合における売主の担保責任
前二条の規定は、数量を指示して売買をした物に不足がある場合又は物の一部が契約の時に既に滅失していた場合において、買主がその不足又は滅失を知らなかったときについて準用する。


前の条文二つを準用する形で規定されていますね。


法律は、条文の量が膨大になるのを避けるために他の条文を準用するという形で規定されていることが多くあります。


おかげで、読む方からすると読みにくくて仕方ありませんけどね…



では事例です。


【事例】
AはBに対して自己が所有する土地を売却した。その際、代金を登記簿上の地積に対して坪単価を掛けるという方法で算出した。しかし、後日Bが改めて地積を正しく実測すると、実際の地積は登記簿上の地積より少ないことが判明した。

1、善意の買主BはAに対して民法上どのような主張ができるのか

2、売買契約当時、悪意のBは民法上何かできることがあるか?



登記簿の地積というのは今でこそ正確な地積が記載されていますが、昔はかなりいい加減で実際の地積とはかけ離れた地積が記載されているなんてことが多かったようです。


1について、

第565条にあるように善意の買主は前二条の代金減額請求・契約解除・損害賠償請求のいずれも主張することが可能です。(契約解除については残存する部分のみでは買主がこれを買受なかった時に限る)


2について、

悪意のBは何かできるのでしょうか?条文をよく見てもらえれば分かりますが、565条においては‘買主がその不足又は滅失を知らなかったときについて準用する'とありますので、前二条は善意の買主のみ に準用されるということが分かります。つまり、悪意の買主には何も準用されないという事になりますね。

よって、悪意の買主は売主に対して何をすることもできません。


初めから実際の地積が少ないことが分かっていて購入しているんですから、当然と言えば当然ですけどね…。


ちなみに権利行使期間は善意の買主が事実を知ったときから1年以内となります。悪意の買主には当然ありません。



【番外編】

では逆に登記地積より実際の地積が多かった場合は、売主は買主に対して代金の増額請求をすることができるのでしょうか?


判例はこれを否定しています。


民法565条は売主の担保責任を定めた規定であり、反対解釈を用いて売主の権利を主張することは少々やりすぎなのではないかというのが理由のようです。


【問題】
目的物の数量を指示して行ったいわゆる数量指示売買において、当該数量が不足していたときは、善意の買主は代金の減額請求の他、一定の要件のもとで契約の解除および損害賠償の請求をすることができるが、悪意の買主は代金の減額請求のみをすることができる。


【答え】
×


次回は地上権等がある場合等における売主の担保責任についてです。




お読みいただきありがとうございました。


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posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 13:33| Comment(0) | TrackBack(0) | (民法)売主の担保責任 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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