2013年06月24日

内縁の妻は夫の賃借権を承継できるの?


`内縁関係'…今や珍しくありませんよね〜。


籍を入れることのできない様々な理由があるのでしょう。


今日は`内縁関係’が民法上どう保護されているのか、その一部を少し説明します。


内縁関係である夫が死亡した場合、民法上、婚姻関係にない内縁の妻には相続権は一切ありません


では、内縁関係にある者同士が賃貸マンションに同居していた場合、夫の死亡により内縁の妻は賃借権を相続できない故に、マンションを追い出される結果となってしまうのでしょうか?


【事例】
夫Aは妻Bと内縁関係にあり、AはCからマンションを賃借し、Bと同居している。ある日、Aが亡くなった。

1、夫Aに先妻との間の嫡出子Dがいた場合、Bはどうなるのか?

2、夫Aに相続人がいない場合、Bはどうなるのか?




仮に、夫Aと妻Bが婚姻関係にあるのであれば、Bは問題なく賃借権を相続し、Cから追い出されることもありません。


内縁の妻の場合は、賃借権を相続できないゆえにマンションの占有権限がなく、Cに追い出されても仕方ないように思われますね。


1について、


夫AにDという相続人がいる場合です。(民法第887条第1項)


この場合、夫Aの財産はすべて子であるDが相続しますので、賃借権もDが相続する結果となります。


そうなると妻Bは占有権限がない故に不法占拠者となってしまいますね。追い出されてしまうことになりかねません。


しかし、それではかわいそうだと判例は判断しました。


なんとかして、内縁の妻Bを救ってあげたいと考えました。


そこで判例は、


`内縁の妻Bは相続人Dの賃借権を援用することができる'という理論を作ったのです。

[援用…ある事実を自己の利益のために主張すること]


なんか無茶な理論のような気もしますが、なんとかして内縁の妻を守ってやりたいという裁判所の気持ちの表れです^^



【判例】(最判昭42.2.21)
内縁の夫である建物賃借人が死亡した場合、賃借人の内縁の妻は、同人の相続人ではないが、相続人の賃借権を援用することによって、家屋に居住する権利を主張することができる。この場合、その内縁の妻は賃借人と成るわけではないため、賃貸人に対して賃料支払い義務を負うものではない。



2について、


この場合、相続人がいませんので、相続人の賃借権を援用するという理論は使えません。


そのため、借地借家法において特別な立法がなされています。


借地借家法第36条第1項前段
居住の用に供する建物の賃借人が相続人なしに死亡した場合において、その当時婚姻又は縁組の届出をしていないが、建物の賃借人と事実上夫婦又は養親子と同様の関係にあった同居者があるときは、その同居者は、建物の賃借人の権利義務を承継する。


この条文により、同居している内縁の妻は賃借権を承継することができます。


内縁関係が珍しくない今の世の中…内縁関係だからと言ってあまり不利に扱うようなことはされていません。


お読みいただきありがとうございました。




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posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 12:54| Comment(0) | TrackBack(0) | (民法)賃貸借 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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