2013年07月07日

行政不服審査法第1条第1項〜目的について



今日は行政救済法の内の一つである行政不服審査法についてです。


行政不服審査法は違法・不当な公権力の行使から国民の権利利益を保護するために昭和37年に制定されました。


それ以前は`訴願法'という法律があったのですが、あまり国民の権利利益の救済には役立たなかったようです。


この行政不服審査法の役割は違法・不当な公権力の行使から`事後に'国民の権利利益を救済することにあります。


行政手続法を思い出してください。


行政手続法は公権力の行使がされる前、つまり`事前に'行政側を規制して国民の権利利益を保護しようとするものでした。


この行政不服審査法は、行政事件訴訟法や国家賠償法などとともに事後的な救済を目的としております。


では、行政不服審査法第1条第1項を見てみましょう。


第1条 この法律の趣旨
この法律は、行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行為に関し、国民に対して広く行政庁に対する不服申立てのみちを開くことによつて、簡易迅速な手続による国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することを目的とする。


まず、この法律の目的は2つありますね。

1、国民の権利利益の救済

2、行政の適正な運営を確保すること



1についてはお分かりかと思いますが、2については少々説明が必要かと思います。


なぜ国民からの不服申し立てが行政の適正な運営を確保することになるのか?


これは行政が行った処分に対して、不服申し立てがされることにより行政が自らの行いを顧みるという`内部監査的側面'があるからです。


誰しも自分の言動を批判されれば、それが本当に正しかったのかどうか考え、修正しようとしますよね。それと同じです。(ただ、お役所様ですから、普通と違って自らが行った行為が間違っているわけないと決め込んでいる場合はあまり効果がありませんが…)


それと、後から不服を言われるのが面倒だから、不服を言われないように慎重に処分を行おうという心理を働かせることができるからというのもあるかもしれません。


そして、簡易迅速な手続きであるというのが長所の一つとなっています。行政事件訴訟法による取消訴訟のように裁判所を使うと時間がかかり過ぎてしまいます。


簡易で迅速であるということも国民にとってはとても重要なことです。


さらには、行政不服申し立てというのは公権力の行使に対して`違法かどうかの判断だけではなく、当不当の判断までもが対象になっています。'(当不当の判断とは違法ではないが、行政の裁量が間違っていなかったかどうか、妥当性を欠いていなかったかどうかを判断するという事)


取消訴訟などの裁判所上で行う場合は、違法かどうかの判断のみですが、行政上の不服申し立てはこの点について、国民側にメリットと言えます。


しかし、行政側が自ら行った行為を自らが判断するわけですので、裁判所よりは当然信頼性は欠けます。


やはり、自分に対しては甘くなってしまうものです(特にお役所は)


ということで、

行政不服申し立ては、確かに信頼性は裁判に比べて劣りはするが、簡易迅速で、違法かどうかだけでなく、当不当まで判断してくれる点で国民にとってはありがたい存在であるということがメリットだと言えそうです。


以上、行政不服審査の目的についてでした。




お読みいただきありがとうございました^^


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posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 21:38| Comment(0) | TrackBack(0) | (行政不服審査法) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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