2013年07月14日

審査請求中心主義と異議申立て前置



行政が行った処分に対して文句を言う方法が行政不服審査法においては3つ用意されています。

1、異議申立て(処分を行った行政庁に文句を言う) 
2、審査請求(処分庁の上級行政庁や第三者的な行政庁に文句言う)
3、再審査請求(審査請求に対してさらに文句を言う)

この3つの不服申立て手段はどれを自由に使っていいというものではありません。
一定のルールが行政不服審査法において定められています。

この部分はかなり分かりにくくて覚えにくいところで、その昔私も苦労したところではありますが、順を追って解説していきます。


まず、ここでキーワードとなるのが審査請求中心主義異議申立て前置です。


では第5条を見てみましょう!

第5条 処分についての審査請求 
1  行政庁の処分についての審査請求は、次の場合にすることができる。
一  処分庁に上級行政庁があるとき。ただし、処分庁が主任の大臣又は宮内庁長官若しくは外局若しくはこれに置かれる庁の長であるときを除く。
二  前号に該当しない場合であつて、法律(条例に基づく処分については、条例を含む。)に審査請求をすることができる旨の定めがあるとき。
2  前項の審査請求は、同項第一号の場合にあつては、法律(条例に基づく処分については、条例を含む。)に特別の定めがある場合を除くほか、処分庁の直近上級行政庁に、同項第二号の場合にあつては、当該法律又は条例に定める行政庁に対してするものとする。



処分について審査請求ができる時についての規定です。


一回読んだだけで理解できる人はなかなかいないのではないでしょうか!?


1、まずは処分庁に上級行政庁があるときです。この場合は、その処分庁を直接に指揮監督をする直近上級行政庁に審査請求をすることとなります。

しかしながら、処分庁が大臣、宮内庁長官、外局若しくはこれに置かれる庁の長であれば、上級行政庁があったとしても審査請求はできません。(大臣や長官の上となれば内閣とかになってしまいますからね)

そして、法律・条例に特別の定めがあるのであれば、直近上級行政庁ではなく、その定められた行政庁(第三者的行政庁)に審査請求をすることとなります。(5条1項1号、2項前段)


2、では次に、1項2号の`前号に該当しない場合’…つまり言いかえれば、上級行政庁がない場合と処分庁が主任の大臣又は宮内庁長官若しくは外局若しくはこれに置かれる庁の長であるときは、法律・条例で審査請求をすることができると書いてあればその書いてある先に審査請求をすることができるというものです。(5条1項2号、2項後段)

処分庁に上級行政庁がない場合や、処分庁が主任の大臣又は宮内庁長官若しくは外局若しくはこれに置かれる庁の長であるときは、原則として異議申立てをすることとなりますが(6条1項1号2号)、法律・条例で特別に審査請求ができるとの定めがあれば審査請求ができることとなるというものです。



第6条 処分についての異議申立て
1  行政庁の処分についての異議申立ては、次の場合にすることができる。ただし、第一号又は第二号の場合において、当該処分について審査請求をすることができるときは、法律に特別の定めがある場合を除くほか、することができない。
一  処分庁に上級行政庁がないとき。
二  処分庁が主任の大臣又は宮内庁長官若しくは外局若しくはこれに置かれる庁の長であるとき。
三  前二号に該当しない場合であつて、法律に異議申立てをすることができる旨の定めがあるとき。



処分について異議申立てができる場合と審査請求中心主義についての規定です。


1号と2号については異議申立てが原則ではあるが、上述したように法律で特別の定めがあり審査請求をすることができるのであれば、異議申立ては原則することができず、審査請求をすることとなります。これを審査請求中心主義と言います。

しかしながら、法律に特別の定めがあるため異議申立てができるような場合は、審査請求中心主義は適用されず、審査請求と異議申立ての両方ができることとなります。


3号は、1号・2号以外の場合…つまり、処分庁に上級行政庁があり、処分庁が主任の大臣又は宮内庁長官若しくは外局若しくはこれに置かれる庁の長でないときは、法律に異議申立てができると規定されていれば異議申立てができるというものです。
さらに、元々審査請求もすることができますので、審査請求と異議申立ての両方ができることとなります。審査請求中心主義の適用はありません。



では、審査請求と異議申立ての両方ができる場合はどちらを先に行ってもいいのでしょうか?


第20条 異議申立ての前置
1  審査請求は、当該処分につき異議申立てをすることができるときは、異議申立てについての決定を経た後でなければ、することができない。ただし、次の各号の一に該当するときは、この限りでない。
一  処分庁が、当該処分につき異議申立てをすることができる旨を教示しなかつたとき。
二  当該処分につき異議申立てをした日の翌日から起算して三箇月を経過しても、処分庁が当該異議申立てにつき決定をしないとき。
三  その他異議申立てについての決定を経ないことにつき正当な理由があるとき。



異議申立て前置の規定です。


審査請求と異議申立ての両方ができる場合は、異議申立てを先にやってくださいというものです。


しかし、1号2号3号に該当する場合は異議申立て前置は適用されず、審査請求を先んじてすることができます。


以上は、かなりややこしい規定となっており、わけが分からないという方も多いと思います。
審査請求を中心的にやれと言ったり、かと思えば異議申立てを前置しろと言ったり…(°°;))オロオロ…

審査請求中心主義…異議申立てができる場合でも、審査請求ができるのであれば、原則として異議申立てをすることができない。

異議申立て前置(審査請求中心主義の例外)…審査請求と異議申立ての両方ができる場合はまず、異議申立てをしなければならない。


とりあえずは、この2つの意味と上述の3つの条文の各号を覚えておけば問題ないかと思います。




お読みいただきありがとうございました。


バリエーション豊富な予備校テキスト!


ポチっとお願いいたします。

 ↓
にほんブログ村 行政書士試験
 ↓
人気ブログランキングへ
行政法の判例を学ぶ!
posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 04:53| Comment(0) | TrackBack(0) | (行政不服審査法) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック

▲ページの先頭へ

×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。