2013年07月27日

(民法)887条〜代襲相続について〜その2



前回、基本的な代襲相続についての話をしました。


では、その他の相続の論点も含めて少し複雑な事例を考えてみます。


【事例】
AはBと婚姻をしており、その間に実子Cと養子Dがいます。Dには子であるEがいます。さらに、Aは生前、愛人を作りその愛人との間には子F(認知済み)がいます。養子Dは既に死亡しております。(AとDの養子縁組は平成23年7月27日です)

この状況で、平成25年7月27日にAが死亡いたしました。

次の場合、相続人と相続分はそれぞれどうなるでしょうか?

1、Eの出生が平成22年7月27日の場合

2、Eの出生が平成24年7月27日の場合



登場人物が多いですが、じっくり考えてみましょう!


論点となるのは、

・相続に際して実子と養子で差はあるのか?

・相続に際して愛人の子と婚姻による子は差があるのか?

・相続に際して養子の子は出生の時期が代襲相続に何か関係するのか


以上の3つとなります。


まず、最初の論点です。


第727条 縁組による親族関係の発生
養子と養親及びその血族との間においては、養子縁組の日から、血族間におけるのと同一の親族関係を生ずる。


第809条 嫡出子の身分の取得 
養子は、縁組の日から、養親の嫡出子の身分を取得する。


以上より、養子は養親と法定血族関係に入り、そして嫡出子の身分を取得いたします。(嫡出子とは法律上の婚姻関係にある男女の間に生まれた子のことを言います)


つまり、相続において養子は実子となんら差のないものとして扱われます。実子と養子の相続分は同等です。



次の論点に入ります。


これは、非嫡出子(いわゆる婚外子)と嫡出子との間の論点です。


第900条4号 法定相続分
子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の二分の一とし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。



今話題の条文ですね^^嫡出子と非嫡出子の相続分の差は昔から議論のあるところではありますが、現行法はあくまで嫡出子と非嫡出子の相続割合は2:1となっております。(おそらく今年の秋にも違憲判決が出る模様です…)


私などは現行の2:1がちょうどいいような気もするんですが…これが仮に同じ割合になってしまったら、法律婚の意義が薄れ、強いては社会のモラル低下につながってしまうような気もしないでもないです…法の下の平等って難しいですね〜^^



最後の論点に移ります。


養子の子の出生が養子縁組の時期を挟んで前後した場合の論点です。


何か問題あるの?と思われるかもしれませんが、これはかなり重大問題なんです。


条文を確認してみましょう!

民法第887条2項
被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない


重要なのは、ただし書き以下の「被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない」です。


つまり、被相続人の直系卑属でない者は代襲相続をすることができません。


養子縁組をする前に出生した養子の子は被相続人の直系卑属とはなりません。(法定血族関係には入らない)

それに対して、養子縁組をした後の養子の子は被相続人の直系卑属となります。(法定血族関係に入る)



このことから、出生が養子縁組の前か後かで相続できるかできないかが決まってしまうのです。




【答え】
1について、

Eの出生が養子縁組の前なので、EはAの直系卑属とはならず代襲相続をすることができません。

よって、相続人と相続分は、配偶者Bと実子C、そして愛人の子Fとなります。相続分はそれぞれ、6分の3、6分の2、6分の1となります。



2について、

Eの出生が養子縁組の後なので、EはAの直系卑属となり代襲相続をすることができます。

よって、相続人と相続分は、配偶者Bと実子C、愛人の子F、そして養子Dの子Eとなります。相続分はそれぞれ、10分の5、10分の2、10分の1、10分の2となります。


お読みいただきありがとうございました^^




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posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 19:27| Comment(0) | TrackBack(0) | (民法)相続 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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