2013年08月24日

(憲法)板まんだら事件



いやぁ〜、お盆を過ぎたというのにまだまだ暑い日が続きますね^^

皆さん、体調は大丈夫ですか?残暑はまだ続きそうなので、体調管理だけはしっかりしてください。


それでは本日は、有名な判例ですね。板まんだら事件についてです。


まずは日本国憲法第76条を見てみましょう。

第76条
すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。

この通り、司法権は裁判所に属していますね。


司法とは、「具体的な争訟について、法を適用し、宣言することにより、これを裁定する国家作用のこと」ということができます。その権利は裁判所に属すると日本国憲法76条は言っているんですね。


では、この司法権とやらは全ての紛争について及ぶのでしょうか?「司法権の範囲」の話になります。


【事例】
創価学会(宗教団体)の元会員であるAは、ご本尊である「板まんだら」を安置する正本堂の建立資金として創価学会に寄付を行いました。しかし、Aは後に安置するはずの「板まんだら」は偽物であり、寄付をした行為は錯誤であり無効であると主張し、創価学会に対して不当利得返還請求訴訟を起こしました。果たして司法権を有する裁判所はこの事件を裁くことができるのか?

皆さんは、率直にどう思われます?

・偽物なんだから、普通に民法上の錯誤無効で不当利得返還請求は認められていいんじゃない?

・いやいや、なんか内容の核心部分が宗教チックだから、裁判所は出る幕ないんじゃない?

といろいろ思われるかもしれませんね。


この問題を解くには「司法権の範囲」について知っておく必要があります。


では、裁判所法第3条第1項を見てみましょう。

裁判所法第3条第1項 裁判所の権限
裁判所は、日本国憲法 に特別の定のある場合を除いて一切の法律上の争訟を裁判し、その他法律において特に定める権限を有する。


ここに、一切の「法律上の争訟」を裁判し、とありますね。そうです。この「法律上の争訟」こそが今回のキーワードです。


紛争が「法律上の争訟」に該当しなければ、司法権は及ばないのです。(裁判所は判断しないんです)


では、この「法律上の争訟」とは何なのでしょうか?


判例は、

‘当事者間の具体的な権利義務ないし法律関係の存否に関する紛争であつて、かつ、それが法令の適用により終局的に解決することができるもの’

としています。


1、具体的な権利義務ないし法律関係の存否に関する紛争
2、法令の適用により終局的に解決することができるもの



この二つの要件を満たして初めて、司法権の対象となります。


今回の事例においてはどうでしょうか?

1については、
寄付行為(贈与)が錯誤により無効を理由に不当利得返還請求をしています。明らかに、具体的な権利義務ないし法律関係の存否に関する紛争と言えるでしょう。(判例もそのように言っています)


2についてはどうでしょうか?果たして法令の適用により、終局的に解決をすることが可能なのでしょうか?

判例は、
「本件訴訟は、具体的な権利義務ないし法律関係に関する紛争の形式をとつており、その結果信仰の対象の価値又は宗教上の教義に関する判断は請求の当否を決するについての前提問題であるにとどまるものとされてはいるが、本件訴訟の帰すうを左右する必要不可欠のものと認められ、また、記録にあらわれた本件訴訟の経過に徴すると、本件訴訟の争点及び当事者の主張立証も右の判断に関するものがその核心となつていると認められることからすれば、結局本件訴訟は、その実質において法令の適用による終局的な解決の不可能なものであつて、裁判所法3条にいう法律上の争訟にあたらないものといわなければならない。」


このように示しました。


つまり、この事件は、板まんだらが本物なのか偽物なのかという宗教的なことが問題の核心部分であり、これが分からずして解決することはできないので、法令を適用して裁判所が判断して解決することは到底できません。(終局的に解決できない)としたのです。

1は満たすが2は満たさずに「法律上の争訟」には当たらずとして、却下とされてしまったんですね。(司法権の範囲外ということです)


裁判所といえども、宗教的なことは判断できませんし、したくもないんではないでしょうか?だからこのような結論となっております。


司法権が及ばないものは他にもたくさんありますが、今回はその中でも有名な「板まんだら事件」のお話でした。




お読みいただきありがとうございました。



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posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 18:27| Comment(1) | TrackBack(0) | (憲法)統治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
これ大学の時習いましたが、真贋という事実関係が基礎になって法的関係が左右される以上「法律上の争訟」にあたるんじゃないかと個人的におもってました。教科書には勝てませんが
Posted by at 2015年06月01日 07:46
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