2013年10月28日

(行政法)行政行為〜命令的行為と形成的行為 その1



平成25年度行政書士試験まで残りあとわずかとなりましたが、いかがお過ごしでしょうか!?

この時期は体調を崩しやすいので、本番でベストを尽くすためにも体調管理は十分に気を付けてください!


1年ほど前に行政行為の分類に関する記事を書いたのですが、今回はより具体的な内容とするために記事を改めさせていただきたいと思います。


では、

私が初めて行政法というものに触れたのはもう8、9年前になりますが、この行政行為の分類に関しては何だか分かりにくく、かなりの抵抗を感じておりました。


まず、行政行為の法律行為的行政行為は大きく「命令的行為」と「形成的行為」とに分かれるわけですが、この違いは一体何なのでしょうか?


言葉から察するに、

命令的行為は「命令」という言葉が入っていることからも、「何かをしろ!」とか「何かをするな!」等の意味が込められているものと考えられ、

形成的行為は「形成」という言葉から、「形を成す」、「形作る」なんて意味が込められている。というのはなんとなく分かります。



ではまず、命令的行為について。


命令的行為とは…私人が事実としてある行動をすること、そしてしないこと自体を規制の対象とする行政行為…ということができます。


例えば建築基準法第9条第1項には次の様な規定があります。

建築基準法第9条第1項 違反建築物に対する措置
特定行政庁は、建築基準法令の規定又はこの法律の規定に基づく許可に付した条件に違反した建築物又は建築物の敷地については、当該建築物の建築主、当該建築物に関する工事の請負人(請負工事の下請人を含む。)若しくは現場管理者又は当該建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者に対して、当該工事の施工の停止を命じ、又は、相当の猶予期限を付けて、当該建築物の除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用禁止、使用制限その他これらの規定又は条件に対する違反を是正するために必要な措置をとることを命ずることができる。


違反した建築物が建造されたような場合、行政庁は除却、移転、改築、増築、修繕等を命ずることができることとなっていますが、このように規制が何かを命ずるという形でおこなれる場合を行政法学上「下命」と表現します。


そしてさらに、「下命」は「〜をしろ」という意味で使われますが、その中には「〜をするな」という意味もあり、この場合を特に行政法学上、「禁止」と表現しています。例えば道路交通法にここでいう「禁止」についての規定があります。

道路交通法第6条第4項 警察官等の交通規制
警察官は、道路の損壊、火災の発生その他の事情により道路において交通の危険が生ずるおそれがある場合において、当該道路における危険を防止するため緊急の必要があると認めるときは、必要な限度において、当該道路につき、一時、歩行者又は車両等の通行を禁止し、又は制限することができる。



そして、これらの「下命」や「禁止」とは対をなすものとして「免除」と「許可」があります。


行政庁により「〜しろ」と「下命」を受けた場合(言いかえれば〜をしなければならない義務を負った場合)にこれを解除する場合が、行政法学上の「免除」となります。


例えば国税通則法第6条においては、

国税通則法第6条第1項 納税の猶予の要件等
税務署長(省略)は、震災、風水害、落雷、火災その他これらに類する災害により納税者がその財産につき相当な損失を受けた場合において、その者がその損失を受けた日以後一年以内に納付すべき国税で次に掲げるものがあるときは、政令で定めるところにより、その災害のやんだ日から二月以内にされたその者の申請に基づき、その納期限(省略)から一年以内の期間(省略)を限り、その国税の全部又は一部の納税を猶予することができる。


として、「下命」により納めなければならない税金を猶予することができることとなっていますが、このような場合が行政法学上の「免除」だということができます。


また、不作為を命じる行為である「禁止」を受けた場合にこれを解除する場合が、行政法学上の「許可」ということができます。


例えば、飲食店や不動産業、病院や薬局などの営業を始めようとするならば、お役所に許可をいただかなければなりません。これを許可なしに自由にすることができるとしてしまうと、飲食店であれば、不衛生な店が増え一般市民に健康被害が起こるだろうし、薬局であれば薬剤師などの適切な管理者を置かずに素人同然の人が薬を販売したりすることにより、一般市民に害が及んでしまいます。なので、予め法律によりこれらの行為は一般市民が勝手にやってはいけない(禁止)ということにしておいて、行政庁が審査をして条件を満たした申請者にだけこの「禁止」を解除するという場合が「許可」だということができます。


自動車の運転免許についてもそうです。法律により、運転免許を持っていない者は自動車を運転してはいけない(禁止)ということにしておいて、免許の取得という条件を満たした者にだけこの「禁止」を解除する…これが「許可」となるわけです。


以上から、命令的行為には、

「下命」(〜しろ)、対して(解除)、「免除」(〜しなくてもいいよ)
「禁止」(〜するな)、対して(解除)、「許可」(〜してもいいよ)


が存在することとなります。


ちなみに、行政法学上の言葉と個別の法律の言葉が一致するとは限りません。先の例で言う、運転免許は免許という言葉が使われていますが、行政法学上の「許可」に該当し、個別の法律で許可という言葉が使われていても行政法学上も「許可」ではない場合もあります。後に言う鉱業許可で言う許可は行政法学上の「特許」に該当したり、発明の特許は行政法学上の「確認」に該当したりします。


とてもややこしいですが、この続きは次回とさせていただきたいと思います。


今日もお読みただきありがとうございました。




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行政法の判例を学ぶ!

posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 13:09| Comment(0) | TrackBack(0) | (行政法)総論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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