2013年11月02日

(行政法)行政行為〜命令的行為と形成的行為 その2




前回、行政行為の命令的行為についてお話しましたが、今回は形成的行為についてです。


形成的行為とは…私人の行動の法的効果をコントロールする行政行為…ということができるでしょうか。


では具体的に、


形成的行為の典型として、まず「特許」というものがあります。


一般的に「特許」と聞くと、真っ先に発明の特許とか、ビジネスモデル特許とかの「特許」を思い浮かべるかもしれませんが、この「特許」は行政法学上の「特許」とは違います。


行政法学上の「特許」とは…私人に直接、特定の排他的・独占的権利を与えたり、私人と行政主体との間に包括的な権利関係を設定する行政行為…ということができます。


行政法学上の「特許」の典型例と言えば、鉱業法による「鉱業権の設定許可」があります。

鉱業法第21条第1項 設定の出願
鉱業権(特定鉱物以外の鉱物を目的とするものに限る。)の設定を受けようとする者は、経済産業大臣に出願して、その許可を受けなければならない。



世界に比べれば極めて少ないですが、日本にもいわゆる「地下埋蔵物」が存在します。例えば、石油・石炭・金・銀・銅…などなど(どれが日本で獲れるかは分かりませんが…)です。これらは国にとって貴重な資源であり、さらに量が限られているために誰もが好き勝手に採掘することができるとすると、すぐに無くなってしまい、国にとって、また、国民全体にとってあまり良いこととは言えません。


なので、法律によって地下埋蔵物を採掘できる権利をまずは国が独占することとし(鉱業法第2条)、そして国がしっかり審査をし、この者なら掘らせても大丈夫!資源のいたずらな採掘はしないだろう!となった者にだけ国の持つ採掘権を特に与える…これが「鉱業権の設定許可」という行政行為です。

鉱業法第2条 国の権能
国は、まだ掘採されない鉱物について、これを掘採し、及び取得する権利を賦与する権能を有する。



鉱業権の設定許可というのは、まさに条件を満たしたある特定の者にだけ、そしてある特定の場所、ある特定の埋蔵物だけを採掘する権利を与える行政行為…つまり私人に「独占的・排他的権利」を与える行政行為だということができるので、行政法学上の「特許」だということができますね。(設権行為と表すこともできます)


※第21条の文言では「許可」という表現が使用されていますが、行政法学上の「許可」ではなく上記のように「特許」に該当します。こういう法律上と行政法学上の表現が違うということがよくあります。ほんとにややこしいったらありゃしませんよね。


その他、行政法学上の「特許」の例としては、

・道路占用許可

道路法第32条 道路の占用の許可
道路に次の各号のいずれかに掲げる工作物、物件又は施設を設け、継続して道路を使用しようとする場合においては、道路管理者の許可を受けなければならない。


・河川占用の許可

河川法第24条 土地の占用の許可
河川区域内の土地(河川管理者以外の者がその権原に基づき管理する土地を除く。以下次条において同じ。)を占用しようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。


・公有水面埋立免許

公用水面埋立法第2条
埋立ヲ為サムトスル者ハ都道府県知事ノ免許ヲ受クヘシ


・漁業権設定免許

漁業法第10条 漁業の免許
漁業権の設定を受けようとする者は、都道府県知事に申請してその免許を受けなければならない。


・放送事業者免許

電波法第4条 無線局の開設
無線局を開設しようとする者は、総務大臣の免許を受けなければならない。ただし、次の各号に掲げる無線局については、この限りでない。


・電気事業許可

電気事業法第3条第1項 事業の許可
電気事業(特定規模電気事業を除く。以下この節(第五条第七号及び第十七条第一項を除く。)において同じ。)を営もうとする者は、経済産業大臣の許可を受けなければならない。


・軌道運輸事業の特許

軌道法第3条
軌道ヲ敷設シテ運輸事業ヲ経営セムトスル者ハ国土交通大臣ノ特許ヲ受クヘシ


・公務員の任命も「特許」とされています。


いずれも私人に独占的・排他的権利を付与し、包括的な権利関係を設定する行政法学上の「特許」ですが、法律上の文言は、許可、免許、特許といろいろ使われていますね。




本日はここまでとさせていただきます。お読みいただきありがとうございました。


次回は「認可」について。


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行政書士試験に判例は欠かせない!重要判例集

posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 09:25| Comment(0) | TrackBack(0) | (行政法)総論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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