2013年11月03日

(行政法)行政行為〜命令的行為と形成的行為 その3




形成的行為にはその他、重要なものとして「認可」というものがあります。


認可とは…前提として私人相互間ですでに法律行為が行われており、この行為を補充してその法的効果を完成させる行政行為…ということができます。


具体的には、例えば、農地法による農業委員会の許可なるものが存在します。



いつものように条文を見てみることにしましょう。

農地法第3条第1項本文
農地又は採草放牧地について所有権を移転し、又は地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利を設定し、若しくは移転する場合には、政令で定めるところにより、当事者が農業委員会の許可を受けなければならない。


毎回、個別の法律の条文を取り上げていますが、これはある程度イメージが湧きやすくするためにしているのであって、決して覚える必要はありません。


農地の権利移転について定めた条文ですが、農地について所有権を移転したり、地上権や賃借権などの使用収益を目的とする権利を設定したりする場合は、農業委員会の許可を受けなければならないことになっています。


なぜお役所の許可が必要になるのかというと、畑や田んぼ等の農地は、元来、国の重要な財産であり、それによって農業が行われ、国民に対して食糧を提供する為になくてはならないものであるので、私人の間で勝手自由に取引を成立させることができるということになると、買主(借主等)が実は農業というものに関して全くの無知で、そのまま放置…なんてことになったりとかして、結局は農地が荒廃してしまい、強いてはそれが最終的に国・国民の「食」というものに悪影響を与えてしまうという考えがあるからなんです。


なので、農地についての売買契約や賃貸借契約等(私人間の法律行為)の買手や借手がきっちり責任を持って使用することのできる者であるのかどうか等を、お役所がチェックする(補充する)必要があるんですね。その結果、お役所が「OK!」となったら晴れて法的に有効な権利移転が成立する(法的効果が完成)ということになります。

※同じような規定は4条(農地転用)や5条(転用目的権利移転)にもあります。


以上より、農業委員会の「許可」は行政法学上の「認可」に当たるということになります。



さらに、形成的行為である「認可」は、前回書いたように、私人の行動の法的効果を直接コントロールしようとするものであり、これを受けずに行われた私人間の契約はそのことだけで法的効果を否定されることになります(つまり無効となる)

農地法第3条第4項
第一項の許可を受けないでした行為は、その効力を生じない。



いくら私人間の売買契約が有効に成立したとしても、「許可」をもらえなければ、法的には「無効」とされることになります。


その他、行政法学上の「認可」の例としては、

・銀行合併に対する内閣総理大臣の認可

銀行法第30条 合併、会社分割又は事業の譲渡若しくは譲受けの認可等
銀行を全部又は一部の当事者とする合併(当該合併後存続する会社又は当該合併により設立される会社が銀行であるものに限るものとし、金融機関の合併及び転換に関する法律第三条 (合併)の規定による合併に該当するものを除く。以下この章において「合併」という。)は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。



・一般ガス事業者の供給約款に対する経済産業大臣の認可

第17条 供給約款等
一般ガス事業者は、ガスの料金その他の供給条件について、経済産業省令で定めるところにより、供給約款を定め、経済産業大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。


があります。


おさらい

認可」については、

・前提として私人間で既に法律行為が行われている
・それを行政が補充して法的効果を完成させる
・認可を受けないで行われた法律行為は無効
・あとは具体例



この4つを覚えておけば十分かと思います。


まだ書きたいことは山ほどありますが、命令的行為と形成的行為の回はこの辺にて終了とさせていただきます。




本日もお読みいただきありがとございました。


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posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 20:25| Comment(0) | TrackBack(0) | (行政法)総論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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