2013年11月05日

(民法)契約の成立〜申込みと承諾 その1




平成25年度行政書士試験まで残すところあと数日となりましたね。

受験生の皆さん、調子の方はいかがでしょうか?ラストスパートは無理せずほどほどにしてくださいね♪
(体調を壊してしまっては元も子もありませんので…)



では、このシリーズでは、簡単そうで実はややこしいところ、民法第521条以下の「申込みと承諾」についてです。


では、


私達の多くは、まず朝起きて、顔を洗い、歯を磨き、服を着替え、電車に乗り通勤(通学)し、仕事をし、家に帰って夕飯を食べ、そして眠りにつき…また次の日の朝に起きる。


なんて生活をしているわけですが、この中には無数の「契約」なるものが存在します。


歯を磨く…歯ブラシや歯磨き粉は近くのスーパー等で売買契約を交わしている。
顔を洗う…水道の供給契約を自治体と結んでいる。
電車に乗る…鉄道会社と運送契約を交わしている。
仕事をする…会社と雇用契約を交わしている。


などなど、書きだしたらきりがありませんが、私たちの日常生活はとにかく契約というもので溢れているわけです。


そこで、ここには相対する二つの意思表示が存在することになります。


例えば、「お金を払うから電車に乗せてください。」という意思表示と「分かりました。では乗せてあげましょう。」という意思表示…のような感じにです。


そして、この相対する二つの意思表示が「合致」して合意を形成した時、両当事者の間に「契約」という法律行為が発生するということになります。(このことについては、民法では規定がありません。常識の範囲だということでしょう。)


そして、このことを前提に、上記の例で言うと、前者が「申込み」、後者が「承諾」と民法では表現しています。


「申込み」と「承諾」という意思表示の合致による両当事者の合意が、「契約」だということですね。


※契約は「約束」とはまた違います。契約は約束の中でも義務の不履行があった場合に法的に強制することができるものという位置づけで、約束よりも範囲は狭くなります。



では、まず、意思表示の効力について、民法の原則についてお話していきます。


行政書士試験に判例は欠かせない!重要判例集



民法第97条には次のような規定があります。

民法第97条 隔地者に対する意思表示
1 隔地者に対する意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。
2 隔地者に対する意思表示は、表意者が通知を発した後に死亡し、又は行為能力を喪失したときであっても、そのためにその効力を妨げられない。



とても有名な条文なので受験生で知らない人はまずいないとは思いますが、


まず、ここで言う「隔地者」とは何なのでしょうか?


隔地者とは、発信と到達の間に「時間的」間隔がある者のことを言います。これとは逆に時間的感覚がない者のことを「対話者」と言います。


例えば、東京都のAと大阪のBがやり取りをする場合、

手紙でやり取りをすれば…発信と到達に時間がかかるので「隔地者」、電話でやり取りをすれば…発信と到達の間に時間はかからない(瞬時)ので「対話者」

逆に、

面と向かってAとBが対話している場合、

通常は、発信と到達に時間はかからない(瞬時)ので「対話者」、しかし、通訳を介していたような場合だと、これは「隔地者」ということになります。


民法第97条は、この内の「隔地者」について定めた条文だということをまず理解する必要があります。


では第1項について、

意思表示の到達主義」について定めた条文です。


意思表示は相手方に到達した時にその効力を生じます。


では「相手方に到達した時」とは一体いつのことをいうのでしょうか?


判例・通説においては、「相手方が通常、表示の内容を了知することができる状態になったとき」に到達があったものとしています。


つまり、例えば、手紙が郵便ポストに投函さえされれば、相手方の守備範囲に入ったということで、了知することができる状態になったと言えるし、同居の家族などに渡されたような場合でも了知することができる状態になったと言えます。


また、到達の効力が発生するためには、表意者の「意思」に基づいて発信される必要があり、例えば、まだ送るつもりのない手紙を勝手に第三者が相手方に送って了知したとしても
意思表示の効力は生じません。


それから当然、郵便局の不手際で相手方に届かなかったような場合は、到達も何もあったものではありませんから、意思表示の効力は生じないこととなります。


意思表示は到達して初めて効力を生ずる」…大原則ですので確実に覚えてしまいましょう!



では、2項について、


この規定でまず注意しなければいけないのは、「表意者が通知を発してから相手方に到達するまでの間」の話だということです。


この間に表意者が死亡したり、行為能力を喪失した時でも意思表示の効力はそのままだということなんです。(当然、相手方がそのことを知っていても)


表意者が通知を発してから死亡した場合でも効力はそのままということは…表意者の相続人が表意者の地位を相続するということになり、また、例えば、表意者が後見開始の審判を受けて制限行為能力者となった場合であっても、第9条による取消しはできないということを意味しています。

※ちなみに、表意者の意思表示が到達した後に死亡したりした場合は当然ながら意思表示の効力は妨げられません。

最後に、意思表示の撤回について、


隔地者に対する意思表示は相手方に到達する前であれば自由に撤回することができるとされています。(例えば、手紙による意思表示を到達する前に電子メールで撤回するとか…)
しかし、もはや相手方の了知できる範囲に到達してしまえば、撤回をすることはできません。



本日はこの辺にて失礼します。



次回以降は、民法第521条以下の主要な部分をお話できればと思います。



本日もお読みいただきありがとうございました。




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posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 22:18| Comment(1) | TrackBack(0) | (民法)契約の成立 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。私は、「行政書士試験ガイド」(http://gyousyoguide.doorblog.jp/)管理人のじん(いわゆるハンドルネームを名乗ることをご容赦下さい)と申します。

早速ですが、貴サイト様にて当サイトと相互リンクさせていただきたく、お願い申し上げます。
突然のお願いで失礼かと思いましたが、どうかお許しくださいませ。
着サイト様にリンクした当サイトのURLはhttp://gyousyoguide.doorblog.jp/archives/856174.htmlです。
なお、当サイトの説明文が必要な場合、任意でお願いします(特に無くてもかまいません)。

万が一、リンクについて、差し障りや、お気づきの点などございましたら、ご意見お寄せくださいませ。適切に対処いたします。
この場を借りて失礼しました。
では、失礼いたします。
(特に問題等なければ、返信は不要でございます)

「行政書士試験ガイド」管理人:じん
http://gyousyoguide.doorblog.jp/
Posted by 行政書士試験ガイド管理人じん at 2013年11月09日 18:47
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