2013年12月01日

(行政法)行政上の義務履行確保の手段 その1




まとまりのある文章を書くという作業は大変なことだなぁ〜と感じている今日この頃です。
毎度、思考を凝らして記事を書いているわけですが、漢字の書き間違いや変な言い回し等がございましたらご指摘いただけると嬉しいです♪



さて、



私人相互の間で法律行為(例えば契約)を行うと、その効果として、双方に債権債務が発生することになるわけですが、債務者が契約上の義務を履行しない場合(例えば、商品代金を支払わない)、債権者は債務者の自宅に土足で上がりこんで、力ずくで金目のものを持っていくなんてことは、現行法制度上できません。(自力救済の禁止)


こういう場合は、債権者が民事訴訟を起こし、裁判所によって自らの権利を認めてもらった上で、さらに裁判所の力を借りて初めて債務者に対して「強制執行」をすることが可能となります。


しかしながら、行政行為には、「自力執行力」がありますから、このような面倒な手続きを経ずとも、例えば、私人が行政行為や行政立法、行政契約などによって行政法上の様々な義務が課せられているのに、その義務を履行しようとしないときは、行政は実力を持って、私人の身体や財産に直接手をかけて、当初の目的を達成させることができます


この仕組みのことを「行政上の強制執行」と言います。


この行政上の強制執行は、極めて強力な公権力の行使の典型例だと言え、私人の権利や財産を侵害する行為ですので、行政庁がこれを何の根拠もなく勝手にやってもいいという事にはなりません。


そこで、行政法を学ぶ上で重要となる「法律による行政の原理」の中の「法律の留保の原則」から、このような公権力の行使には、必ず「法律の根拠」が必要となります。



では、この「法律の根拠」とはどういうことなのかが問題となります。


行政上の強制執行は、私人が行政行為等によって、行政から何ならかの義務を課せられるということが前提となり、その義務の履行がない…という場合に行われます。


では、その前提となる行政行為による命令等が法律の根拠に基づいていれば、その先の強制執行に法律の根拠はいらないのでしょうか?


かつては、ただ単に法律の根拠のある行政行為を実現するだけのことであるから、強制執行に法律の根拠は不要だと考えられていたようです。


しかしながら、今日では、前提としての行政行為とその先の強制執行というものは、別のものとして考えられ、強制執行をするということはそのこと自体が私人の権利や財産に新たに侵害を加える行為であるとされているので、前提としての行政行為に法律の根拠があったとしても、強制執行自体にも法律の根拠が必要であるとされています



例えば、旧結核予防法(現在は感染症法に統合)には、その第29条に、

旧結核予防法第29条第1項 入所命令
都道府県知事は、結核患者がその同居者に結核を伝染させるおそれがある場合において、これを避けるため必要があると認めるときは、その患者又はその保護者に対し、期間を定めて、結核療養所(結核患者を収容する施設を有する病院を含む。以下同じ。)に入所し、又は入所させることを命ずることができる。



として結核患者に対して都道府県知事が入所命令をすることができることとなっていました。


しかしながら、同法の規定には、その先の強制執行(つまり、入所命令に従わなかった場合には、強制的に施設へ入所させることができる)についての規定がなく、つまり、強制執行自体についての法律の根拠が存在していない状態だったので、入所命令を拒否されてしまえば、行政は強制的に入所させることはできなかったのです。



現行法上の強制執行手段として、行政代執行法という法律があります。


この法律を根拠にして行政が強制執行を行うことは可能ですが、しかし、この法律はかなり限定的で、「代執行」という方法でできる場合しかその対象とされていないのです。


次回は、この行政代執行法についてお話させていただきたいと思います。




本日もお読みいただきありがとうございました。


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posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 14:50| Comment(1) | TrackBack(0) | (行政法)総論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
間違いやすいのが自働債権の働ですね。

それと、平成25年宅建試験 問6
没問じゃないかと某掲示板で議論なってるみたいですね
Posted by いつも拝見しております at 2013年12月03日 00:00
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