2013年12月07日

(行政法)行政上の義務履行確保の手段 その3





前回見たように、代執行や直接強制のような直接的な強制執行は現行法上、また事実上、かなり限定的で、行政上の義務履行確保の手段としては極めて不十分であるということができます。


事実上というのは、日本の行政マンは、国民性の表れなのかもしれませんが、あまり強引な方法を用いて目的を達成しようとすることを躊躇する面があるという意味です。


そこで、直接的ではなく、間接的に心理的効果を期待した方法を用いることはできないのかという面から「行政罰」という存在があります。



例えば、道路交通法には、

道路交通法第64条 無免許運転の禁止
何人も、第八十四条第一項の規定による公安委員会の運転免許を受けないで(省略)自動車又は原動機付自転車を運転してはならない。

道路交通法第117条の4  次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
2 法令の規定による運転の免許を受けている者(省略)でなければ運転し、又は操縦することができないこととされている車両等を当該免許を受けないで(省略)又は国際運転免許証等を所持しないで(省略)運転した者



として、無免許運転は、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金を科されることとなります。


このように道路交通法のような行政法によって課された義務違反に対する制裁としてされる処罰のことを「行政罰」といいます。(刑法違反の場合は「刑事罰」といいます。)



そして、この行政罰は以下の二つに分けることができます。

行政刑罰…刑法上の刑罰(死刑・懲役・禁固・罰金・拘留・科料)を科す場合(反社会性の強い行為に対して)

秩序罰…刑罰以外の制裁、具体的には「過料」を科す場合(比較的反社会性の弱い行為に対して)



ですので、この無免許運転に対する道路交通法(行政法)上の、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金というのは、「行政刑罰」に該当します。



ではなぜこの行政罰が義務履行確保の手段として有用なのでしょうか?



本来、この行政罰は、義務違反者に対して設けられた「制裁」としての意味を持つものではありますが、予め、このような義務違反をすれば、制裁(行政罰)を受けるということが分かっていれば、それを恐れて、義務を履行するという、いわば心理的効果が働くことになります。(懲役や罰金を科されるなら無免許運転はやめておこう〜みたいな感じにです)


このような行政罰のもつ心理的効果が、間接的な義務履行確保の手段として有効なのです。



しかし、この行政罰による間接的な義務履行確保の手段は万全とは言い難いところがあります。


それは、


・あくまで間接的な手段にすぎないということ

・罰金が少額であれば、その罰金を払ってでも義務違反をした方が得になる場合が存在すること

・行政罰は二重処罰の禁止の原則から、目的を達成するまで繰り返し科すことができないということ
(執行罰は制裁としてではなく、義務履行を目的とするものであるため何度でも可能)



というような理由で「限界」が存在します。



そこで、本来中心的な役割をはたさなければならないこれまでに書いた様な義務履行確保の手段とは別に、いろいろ工夫を施した新たな間接的強制手段が存在しているわけです。



例えば、

・公表
・サービスの拒否
・課徴金
・加算税



などが実際は大きな効果をあげています。




本日もお読みいただきありがとうございました^^


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posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 17:44| Comment(0) | TrackBack(0) | (行政法)総論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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