2013年12月08日

(民法)第772条〜嫡出推定制度について




昨今、「無戸籍児」でもよく話題になったこの民法第772条ですが、なかなか分かりにくく苦手意識を持っている方も多いのではないでしょうか?


では条文を見ることにしましょう。


民法第772条 嫡出の推定
1 妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。
2 婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。



嫡出子とは、本来、妻が婚姻中に夫によって懐胎(妊娠)し、出産した子のことを言います。


しかし、実際には、本当に婚姻中に懐胎(妊娠)したのかどうか、また、本当に夫の子であるのかどうかは正直なところ分からないところがあります(DNA鑑定とか、顔が似てるとかは別論)



そこで民法は、夫婦間においての貞操義務を信用して、また、医学上の妊娠期間を最低200日最高300日と考えて、推定規定を設けました。それが第772条ということです。



つまり、婚姻の日から200日を経過した日、又は婚姻の解消、取り消しの日から300日以内に生まれた子を「婚姻中に懐胎した子」として推定してしまって、さらに、婚姻中に懐胎した子は、夫の子であると推定するということです。


このような夫の子であるという推定が働く子のことを「推定される嫡出子」とか「嫡出推定を受ける嫡出子」と表現します。



なので、この推定規定によると、たとえば、婚姻関係にある夫Aと女Bの間の子供Cが実は、女Bと全くの他人である男Dとの間でできた子供であっても、婚姻の日から200日を経過した日に生まれれば、第772条の推定規定が働き、夫Aと子Cは法律上の父子関係にあるとされてしまうわけです。(血縁関係にないにも関わらず)



しかし、これはあくまで推定規定であり、反証を挙げればひっくり返すことも可能です。そのためにあるのが「嫡出否認の訴え」です。


民法第774条 嫡出の否認
第七百七十二条の場合において、夫は、子が嫡出であることを否認することができる。


夫しかできません。

民法第775条 嫡出否認の訴え
前条の規定による否認権は、子又は親権を行う母に対する嫡出否認の訴えによって行う。親権を行う母がないときは、家庭裁判所は、特別代理人を選任しなければならない。




上記の例でいえば、夫Aは嫡出否認の訴えで勝訴することにより、血縁関係にない子Cとの法律上の父子関係を否定することができるということになります。



しかし、嫡出否認の訴えは、法律上かなり厳格化されています。


たとえば、


民法第777条 嫡出否認の訴えの出訴期間
嫡出否認の訴えは、夫が子の出生を知った時から一年以内に提起しなければならない。



というような規定がありますが、これは、嫡出否認の訴えを提起できる1年間の期間経過後は誰も父子関係を否定できないものとすることによって、親子関係を早期に確定して子の福祉を図り、家庭の平和を尊重しようとしているのです。


その他、嫡出否認の訴えに関する規定は以下のようなものがあります。


民法第776条 嫡出の承認
夫は、子の出生後において、その嫡出であることを承認したときは、その否認権を失う。

民法第778条
夫が成年被後見人であるときは、前条の期間は、後見開始の審判の取消しがあった後夫が子の出生を知った時から起算する。



上記の内容を嫡出推定制度と言います。


要するに、


嫡出推定制度とは…子の福祉や身分関係を早期に安定させるために、推定される嫡出子については、父であることを否定する方法を限定し、この方法によって父子関係が否定されない限り、血縁関係があるか否かを問うことなく、法律上、父子関係にあるものとして扱う制度だといえます。(法務省サイトQ&Aより抜粋)

仮に嫡出推定制度がなければ、いつまでも父子関係を否定する主張をすることができることになり、子の福祉が害されたり、家庭の平和が崩壊したりするという事態が生じかねません。例えば、父の実子として生活してきたにもかかわらず、父が死亡した後になって、相続人であることを否定しようとする他の相続人から、父の子であることを否定する主張をされることにもなりかねません。




本日もお読みいただきありがとうございました^^


ポチッとクリックよろしくお願いいたします。
↓↓↓↓↓




行政書士試験六法がズラリ!

posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 20:45| Comment(0) | TrackBack(0) | (民法)親子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック

▲ページの先頭へ