2014年01月04日

(憲法)外国人地方参政権〜最高裁判決



外国人に選挙権を与えるべきだ!という議論は、ずいぶん前から盛んに行われています。


某政党などは、何が何でもこの外国人参政権を取り入れたいようで、幾度となく国会に法案を提出しています。

一体外国人参政権にどんなメリットがあるのか、個人的にはいくら考えても理解しがたいものがありますが、この外国人参政権について裁判で争われたことがあります。



【事案】
日本生まれの定住外国人であるAは、外国人であることから、選挙人名簿に登録されておらず、地方選挙における選挙権を行使することができない。そこでAは、憲法上、定住外国人にも地方選挙における選挙権は保障されるものであるとして、選挙管理委員会に対して、選挙人名簿に登録するよう求めたが、却下されたため、却下決定の取り消しを求めて訴訟を起こした。


平成7年2月28日の最高裁判決です。


・憲法第3章の基本的人権は、外国人にも保障されているのか?

判例はこの点、

「憲法第三章の諸規定による基本的人権の保障は、権利の性質上日本国民のみをその対象としていると解されるものを除き、我が国に在留する外国人に対しても等しく及ぶものである。」


として、権利の性質上、日本国民を対象としているもの以外は、外国人にも保障は及ぶとしています(性質説)



・では、憲法第15条第1項についてはどうか?

日本国憲法第15条第1項
公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。




これについて判例は、

「憲法一五条一項にいう公務員を選定罷免する権利の保障が我が国に在留する外国人に対しても及ぶものと解すべきか否かについて考えると、憲法の右規定は、国民主権の原理に基づき、公務員の終局的任免権が国民に存することを表明したものにほかならないところ、主権が「日本国民」に存するものとする憲法前文及び一条の規定に照らせば、憲法の国民主権の原理における国民とは、日本国民すなわち我が国の国籍を有する者を意味することは明らかである。そうとすれば、公務員を選定罷免する権利を保障した憲法一五条一項の規定は、権利の性質上日本国民のみをその対象とし、右規定による権利の保障は、我が国に在留する外国人には及ばないものと解するのが相当である。」


として、ここで言う「国民」は日本国籍保有者である日本国民を指し、外国人は第15条の保障の対象外であるとしています。


つまり、国政選挙においては、仮に外国人参政権を認めてしまうと、それは憲法違反であるということになります(学説で言うところの禁止説)
国政選挙においてはこの「禁止説」が多数説であり、これは一般人の理解としても妥当なものだと思います。



・では、憲法第93条第2項についてはどうか?

憲法第93条第2項
地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。



この規定は、地方選挙についての規定ですが、判例はどのように言ったのでしょうか?

「地方自治について定める憲法第八章は、九三条二項において、地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が直接これを選挙するものと規定しているのであるが、前記の国民主権の原理及びこれに基づく憲法一五条一項の規定の趣旨に鑑み、地方公共団体が我が国の統治機構の不可欠の要素を成すものであることをも併せ考えると、憲法九三条二項にいう「住民」とは、地方公共団体の区域内に住所を有する日本国民を意味するものと解するのが相当であり、右規定は、我が国に在留する外国人に対して、地方公共団体の長、その議会の議員等の選挙の権利を保障したものということはできない。」


ここで言う「住民」とは、やはり、日本国民を指し、地方選挙における選挙権は外国人にも保障されないと言っています。


なので、ここまでを見れば、国政選挙と同じ禁止説に立っていると考えることができますが、問題はその後の判例内容なのです。


行政書士試験に判例は欠かせない!重要判例集



「このように、憲法九三条二項は、我が国に在留する外国人に対して地方公共団体における選挙の権利を保障したものとはいえないが、憲法第八章の地方自治に関する規定は、民主主義社会における地方自治の重要性に鑑み、住民の日常生活に密接な関連を有する公共的事務は、その地方の住民の意思に基づきその区域の地方公共団体が処理するという政治形態を憲法上の制度として保障しようとする趣旨に出たものと解されるから、我が国に在留する外国人のうちでも永住者等であってその居住する区域の地方公共団体と特段に緊密な関係を持つに至ったと認められるものについて、その意思を日常生活に密接な関連を有する地方公共団体の公共的事務の処理に反映させるべく、法律をもって、地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法上禁止されているものではないと解するのが相当である。しかしながら、右のような措置を講ずるか否かは、専ら国の立法政策にかかわる事柄であって、このような措置を講じないからといって違憲の問題を生ずるものではない。」


ここでは、「法律で地方選挙における選挙権を付与することは憲法で禁止されていない」としています。


つまり、この判例は、外国人の地方選挙権は、それは違憲であり禁止されているとする禁止説、又、それは合憲であり、むしろ憲法が要請しているという要請説のどちらもとらず、「国会の裁量で立法してもしなくてもよい」としたわけです。

これを「許容説」と言い、判例はこの立場を明らかにしました。


ですので、先の民主党政権下においては、この外国人地方参政権が、「国会の裁量による立法」で成立するのではないかと少しひやひやしていた方も多かったのではないかと思います。


外国人に地方レベルといは言え選挙権を与えることは、安全保障上の問題もありますし、そもそも「国民主権」というものが一体何なのか、その存在意義が問われることになってしまうのではないでしょうか?


本日はもお読みただきありがとうございました。




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posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 06:20| Comment(0) | TrackBack(0) | (憲法)人権 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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