2014年01月16日

(行政法)法律による行政の原理 その1





今回からは、行政法を学ぶ上で避けては通ることのできない原則についてお話していきます。



それは、「法律による行政の原理」というものです。これは行政法の根幹をなすもので、ここを理解せずして行政法の理解はあり得ない…と思います。



法律による行政の原理を一言で説明すると…「様々な行政活動は、法律の定めるところにより、法律に従って行わなければならない」という法原則だ…ということができます。



これは一体どういう意味なのでしょうか?



この法律による行政の原理を理解するためには、まず簡単に歴史的背景について知っておく必要があります。


中世ヨーロッパにおいては、封建制を経て「絶対王政」が登場するに至ったわけですが、この絶対王政の下では、専制君主一人が、立法・行政・司法の権限を持ち、「公共の福祉」名の下、その絶対的な権限を使って国民を支配していました。そして、これに不満をもつ民衆が蜂起し、「市民革命」を起こして、権力分立の思想が誕生しました。(近代的な法治主義が誕生した)



そして、この過程の中で、専制君主一人が「公共の福祉」の名の下、何もかも自由に物事を決めてしまい、そして国民が絶対的にそれに拘束される…なんてことが許されるはずがなく、何が公共の福祉なのかを決めることや、その下で決める様々な事柄に国民が関与できないのはおかしい…という発想から、三権分立、法治主義、そして、「法律による行政の原理」という考え方が生まれたわけです。




つまり、ここから、法律による行政の原理を整理して言い換えると、「様々な行政活動は、どのような理由があったとしても、行政権者の恣意的な判断によって行われてはならず、必ず国民の代表である議会によって定められた規範(法律)に従ってしか行うことはできない」とすることができます。



さらに少し詳しく見ていきます。


このようにして出来上がった「法律による行政の原理」は我が国においても採用され、今日に至っているわけですが、この中には以下のような基本的な考え方が含まれています。


・行政活動が行われる際には国民の法的安定性を確保しなければならない。

例えば、私たちは国民は、国から様々な形で税金を課されているわけですが、それがどのような場合に、どれくらい課されるのか…ということが前もって分かっていないと、国民としては例えば自分で稼いだお金をいくら使っていいのか分からなくなってしまいます(税金がいくらなのか分からないのだから当然)

そうなると国民生活の秩序が乱されることとなってしまいます。これを避けるために、様々な行政活動は予め前もって定められている基準に従って行わなければならない…となるわけです。(例えば、租税法律主義の下、所得税法とか法人税法とかのこと)これが法的安定性の確保というやつです。



・行政活動には民主的なコントロールが及ぼされなければならない。

これは、前に見た「予め前もって定められている基準」が、行政権者が勝手に決めた基準ではなく、国民の代表機関が定めた「法律」でなければならない…という意味です。



「法律による行政の原理」は、様々な行政活動を民主的にコントロール(法律)することによって、行政権者の恣意を排除し、それによって、国民の法的安定性を守り、それはひいては国民の自由や権利を保護するという意味をも持ち、それが狙いであるということができます。



「法律による行政の原理」の大まかな説明としては以上です。



次回からは、さらに詳しく見ていくことにします。




本日もお読みいただきありがとうございました。


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posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 13:34| Comment(0) | TrackBack(0) | (行政法)総論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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