2014年04月05日

(民法)不在者の財産管理制度 その2





不在者の財産管理制度の専らの目的は、不在者の残した財産を、誰かにきちんと管理させることにあります。



よって、基本的な考え方は以下のようになります。



1、不在者の財産を法律上当然に管理する権限のある者がいる場合。

例えば、親権者・未成年後見人・成年後見人が該当します。この場合、これらの者は、子・未成年被後見人・成年被後見人に対して、法律上、当然に財産管理権を有するので、改めて、民法の総則規定を適用し、特別の措置をはかる必要はありません。例え、親権者等が死亡したとしても、親族法の規定により、後任者が決まるのが通常なので、民法の総則規定(不在者の財産管理制度)が出る幕はありません。


民法第824条 財産の管理及び代表
親権を行う者は、子の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為についてその子を代表する。ただし、その子の行為を目的とする債務を生ずべき場合には、本人の同意を得なければならない。




2、上記1に該当する者がいない場合。

この場合に初めて民法の総則規定(不在者の財産管理制度)が適用されることになります。

しかしながら、不在者の財産管理人には、不在者本人が置いた場合(委任管理人)、裁判所によって選任された場合(選任管理人)の二通りが存在します。

前者の場合には、本人(不在者)の意思で置かれた管理人であることから、法は、裁判所によって選任された管理人に比べてあまり広範な干渉をせず、例外的に干渉するという程度に留めています。


以上が基本的な考え方となります。



では、不在者に親権者等の法定代理人も存在せず、さらに委任管理人も存在しない場合についてお話していきます。


この場合は、上記2の「選任管理人」の話になっていきます。


第25条第1項 不在者の財産の管理
従来の住所又は居所を去った者(以下「不在者」という。)がその財産の管理人(以下この節において単に「管理人」という。)を置かなかったときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、その財産の管理について必要な処分を命ずることができる。本人の不在中に管理人の権限が消滅したときも、同様とする。


この場合、第25条によると、「利害関係人、検察官の請求」により、家庭裁判所が財産管理について「必要な処分」を命ずることになります。

「利害関係人」は前回でも述べたように、不在者の債権者や推定相続人等を言い、単なる友達などは含まれません。また検察官は公益の代表者であるというところから、請求権者に含まれています。


「必要な処分」の中心は、基本的に財産管理人の選任のことを指しています。このように家庭裁判所によって選任された管理人のことを「選任管理人」と言います。



では、選任管理人についてザッと説明していきます。


地位:不在者の法定代理人である。

権限:その権限は、裁判所の命令の内容によって決まる。しかし権限の範囲が明らかでないときは民法第103条が適用され、その範囲を超える行為をするときは、家庭裁判所の許可が必要となる。

職務:財産目録調整義務(27条1項)があり、財産の保存に必要と認める処分を命ぜられ(27条3項)、必要に応じ担保を提供させられる(29条1項)。また、不在者の財産の中から相当の報酬を受けることができる(29条2項)。



また、本人が後になって管理人(委任管理人)を置いたときは、選任管理人はもはや必要なくなり、その管理人(委任管理人)や利害関係者、検察官により請求があった時は、家庭裁判所はその命令を取り消すこととなり、これによって不在者の財産管理は終了することとなります。


民法第25条第2項
前項の規定による命令後、本人が管理人を置いたときは、家庭裁判所は、その管理人、利害関係人又は検察官の請求により、その命令を取り消さなければならない。




不在者が置いた管理人(委任管理人)についてはまた機会があればお話しさせていただきます。






posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 21:08| Comment(0) | TrackBack(0) | (民法)失踪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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