2014年04月19日

(憲法)人権の制約原理 その1





「人権侵害だ!」などと言われたことはないかと思いますが、少なくともこの言葉をどこかで耳にしたことはあるのではないでしょうか。



例えば、週刊誌が、芸能人についてのあることないことを記事にすると、その芸能人が「人権侵害だ!」とか言って提訴するなんてことは昔からよくあることです。



この「人権」という概念は、今でこそ最高の価値を持ち、尊重されるべきものとして普遍的な存在であるわけですが、特に戦前・戦中は、この人権が国家によってないがしろにされ、国民はとてもつらい思いをしていました。


そこで、戦後、これを反省する形で日本国憲法が制定され、その中では、「個人」というものが、尊重・尊厳の対象となり(個人主義)、個人の持つ「基本的人権」として明文化・具体化されたわけです。

(余談:現行憲法は、実質的に占領国の意図の下に作られた経緯があり、さらにその成立手続きには疑義の残る部分があり、完全な自主憲法とは言えないところがあります。)



憲法第11条を見てみましょう。

日本国憲法第11条
国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。




全て国民は基本的人権を共有し、それは侵すことのできない永久の権利である…と明記されていますね。

(※この「基本的」という言葉には特段の意味はないとされています。せいぜいとても重要なものという意味が込められいるにすぎないとされています。)


人権というものはとても大切なものであり、故に、それは侵してはならないものだ!というわけです。これを「人権の不可侵性」と言います。



しかし、人権には不可侵性があるとはいっても、何があろうとも絶対に侵してはならないものかというと…全くそんなことはなく、人権というものは、必要に応じて、制約される必要が認められなければなりません。



仮に、人権が無制約で完全なものとして認められてしまうと…



例えば、

Aさんが、「私には表現の自由が憲法によって認められている!だから、人のたくさんいる公園で、Bさんの悪口(例えば前科とか)を言いふらす権利があるんだ!」と言って、手当たりしだいBさんの悪口を言いふらしたとしたら、Bさんとしてはたまったものではありません。Bさんにも名誉権やプライバシー権があるわけですから、それが侵害されてしまいます。


それから、

C小売店が、「私には憲法上、営業の自由が認められているんだ!だから、大麻を販売する権利だってあるはずだ!」とか言って、大麻を自由に販売するなんてことになると、世の中は薬物中毒者だらけになってしまい、公の秩序が著しく乱されてしまうことになります。



このような事態を避けるためにも、人権は一定の「制約の下」に置かれなければならないわけなんです。



しかし、「人権」というものは、最大限尊重されなければならないものですので、そう簡単に制約するなんてことはできないわけなんですね。


国家が恣意的に、なんかムカツクからこの人権制約します…なんてのは許されないわけなんです。



そこで、如何なる理由があれば人権を制約することができるのか、その具体的な根拠は一体何なのか?ということが問題となってくるわけなんです。



次回は、「公共の福祉」についてのお話とさせていただきます。




本日もお読みいただきありがとうございました。


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posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 19:01| Comment(0) | TrackBack(0) | (憲法)人権 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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