2014年06月09日

(憲法)パターナリスティックな制約〜過去問/平成20年/問3〜解説




憲法/過去問/平成20年/問3←クリック



この問題、すんなり解くことができましたでしょうか。



文章も長いし、見慣れない出題形式なので、見た瞬間に捨て問とすることも選択肢の一つかもしれません。



しかし、単純に条文を暗記する勉強ではなく、こういう問題にしっかり対処できる能力を身につけることが、本当の意味で法律を習得するということなのではないかと思います。


【解説】



まずこの問題、当然、議員の発言趣旨を読むことから始まるわけですが、長ったらしいですよね。



こういう場合は、要点をつかんで短くまとめてしまえばいいんです。



まず、発言の一段目です。


「更にちょっと深く議論を進めたいんですけれども、(法案の)13条に国民の責務という条文がございます。これについては先ほどの議論の中で努力規定という表現が提案者の方から聞かれましたけれども、しかしやはり国民の責務ときっちりうたっているわけでございます。」



食育基本法案の第13条に努力規定ではあるが、「国民の責務」という文言がある。と言っています。



参考までに食育基本法第13条を見てみましょう。


食育基本法第13条 国民の責務
国民は、家庭、学校、保育所、地域その他の社会のあらゆる分野において、基本理念にのっとり、生涯にわたり健全な食生活の実現に自ら努めるとともに、食育の推進に寄与するよう努めるものとする。




そして、発言の二段目です。


「この健全な食生活に努めるという責務、これをなぜ国民は負わなければいけないんだろう。」「裏を返すと、不健康でもそれは自己責任じゃないかという、こういう議論もまたあるわけです。」



一段目の「国民の責務」とは何のことかと言うと⇒これを「健全な食生活に努めるという責務」であると言っていますね。



そして、この「国民の責務」である「健全な食生活に努めるという責務」に対して⇒そんな責務って必要?べつに不健康だって、それはそれで個人の自由なんじゃないの?という趣旨のことを言っていますね。



では発言の三段目です。


「そして、やはり自分が自分の健康を害することに対して何らかの制約を課す、これは法律用語でいいますと」、「自己加害の防止」であり、「これパターナリスティックな制約といいます。」「で、自己加害に対して国家が公権力として介入するのは原則許されないわけですね、これは法律論として。」



「自分が自分の健康を害することに対して何らかの制約を課す」とありますが、これは、国民は放っておくと食生活が偏ったりして、不健康になるから、国が食育基本法第13条で「国民の責務」として「健全な食生活に努めるという責務」という制約を課す…ということを言ってますね。



そして、これを「自己加害の防止」つまり、国民が不健康になることへの防止であると言い、さらに、これを別名「パターナリスティックな制約」と呼ぶと言っています。



そして最後に、「自己加害に対して国家が公権力として介入するのは原則許されないわけですね」…これは、国家が国民に対して「パターナリスティックな制約」をすることはダメだということですね。



では発言の四段目です。



しかし、「未成年の人格的自立の助長や促進というものに関しては、限定的だけれどもこのパターナリスティックな制約は認められるであろうという、これが一つの法律の議論なんです。」



「しかし」…逆接の接続詞から入ってますので、発言の三段目とは逆のことを言うはずです。



その内容は、未成年の人格的自立の助長や促進については、パターナリスティックな制約はOK!であると…




全ての発言を短くまとめます。


「食育基本法案第13条に、「国民の責務」として「健全な食生活に努めるという責務」がある。しかし、健康であろうが不健康であろうが、そんなものは自己責任なんだから個人の自由である。」

「だから、法律議論として、いくら不健康になることの防止であったとしても、国家が国民に対して、責務(制約)を課すのはダメだ!」

「でも、未成年の場合は、例外的に許される場合もある。」





こんな感じになるでしょうか。ここまで要約し、理解してから問題に入ります。




各肢の解説はまた後日とさせていただきます。




本日もお読みいただきありがとうございました。












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posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 12:52| Comment(0) | TrackBack(1) | (憲法)人権 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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