2014年07月01日

(憲法)実質的意味の憲法〜過去問/平成21年/問3






憲法は、形式的意味の憲法実質的意味の憲法とに分けることができます。



さらに、実質的意味の憲法は、固有の意味の憲法近代的(立憲的)意味の憲法に分けることができます。



形式的意味の憲法とは、


 1、憲法典、つまり、成文化された憲法を有しているということ(成文憲法)


 2、改正手続きが、通常の法改正手続きより厳格であること(硬性憲法)




この二つが必要だと言われています。


なので、日本国憲法は、


 1、日本国憲法という名称を持った、紙の上に文字で書かれた(成文化された)憲法を有している


 2、第96条により、通常の法改正手続きよりも極めて厳格である



日本国憲法第96条第1項
この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。




ということから、要件を満たし、形式的意味の憲法を有しているということができます。



逆に、イギリスにも憲法は当然存在しますが、イギリスの憲法は、日本国憲法のように、成文化された憲法典という法形式ではなく、通常の法律や判例、慣習などの国家統治に関する要素をもつものから複合的に構成されています。



なので、イギリスには憲法はあるが、憲法典はない…なんて表現することができます。さらに憲法の改正の際も日本のような厳格さは要求されずに、通常の法改正と同様の手続きで行われることとなります。



よって、イギリスの憲法は、形式的意味の憲法ではない…ということができます。




では、実質的意味の憲法について。



固有の意味の憲法とは、


国家の統治組織や統治作用、国家と国民の関係性について、基本的なことを定めた憲法のことをいいます。この意味の憲法は、不文憲法、成文憲法を問わずに、国家であれば必ず有するものです。国家であれば、そこには統治組織、統治作用についての決まりごとが少なからず存在します。その決まりごとが固有の意味の憲法ということです。



近代的(立憲的)意味の憲法とは、



簡単に言ってしまえば、国家権力を憲法によって縛って、それによって国民の自由や権利を保障しようとする場合の、その憲法のことを言います。


立憲主義という言葉がありますが、この立憲主義とは国家権力を憲法によって制限し、以って国民の自由と権利を保護しようとする考え方で、この立憲主義は、近代の市民革命(フランス革命)期に発展・拡大した考え方だとされています。だから、近代的(立憲的)と表現します。



当然、日本国憲法もイギリス憲法も固有の意味の憲法ですし、立憲的意味の憲法です。



最後に、近代の立憲主義を象徴する有名な条文がフランス人権宣言にあるので紹介します。



フランス人権宣言第16条
権利の保障が確保されず、権力の分立が定められていないすべての社会は、憲法をもたない。




憲法学の第一人者、芦部先生の「憲法」




と、簡単に形式的意味の憲法と実質的意味の憲法を知ったところで、過去問を解いてみましょう。




========平成21年・問3========

次の文章のうち、そこで想定される「実質的意味の憲法」の理解の仕方が、憲法学における伝統的な分類に従えば、他とは異なっているものはどれか。

1. 権利の保障が確保されず、権力の分立がなされていない社会は、憲法をもっているとはいえない。

2. 固有の意味での憲法を論ずるには、古代憲法、中世憲法、近代憲法、現代憲法の順で、社会の基本構造を歴史的に叙述する必要がある。

3. 日本の憲法の歴史は、大日本帝国憲法の制定につながる、西洋諸国に対する「開国」を出発点として、叙述されなくてはならない。

4. 近代立憲主義が定着したフランス第三共和制においては、その体制の基本を定める法律を「憲法的」と形容して、憲法的法律と呼んでいた。

5. 絶対君主制とは区別された意味での立憲君主制が、19世紀ヨーロッパの憲法体制では広く普及し、明治時代の日本もこれにならった。




予め固有の意味の憲法と近代的(立憲的)意味の憲法を知らなければ少し厳しい問題かもしれません。既に知ってるという人にとってもかなり迷う肢がありますね。












解説は、また後日とさせていただきます。



本日もお読みいただきありがとうございました。


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posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 01:32| Comment(0) | TrackBack(0) | (憲法)総論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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