2014年07月29日

(民法)詐欺取消しと強迫取消し その1





AがBから騙されて、Bと契約を結んだ場合、Aの意思表示は詐欺による意思表示として取消すことができます。


AがBからおどされて、Bと契約を結んだ場合、Aの意思表示は強迫による意思表示として取消すことができます。



以上の2つは、いずれも民法第96条第1項に規定されていて、知らない人はまずいないでしょう。


第96条第1項  
詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。




今回は、もう少し深く掘り下げて考えてみることにします。




詐欺や強迫による意思表示は、「瑕疵ある意思表示」だと言われることがあります。瑕疵とはキズといったような意味だと考えていただければ結構です。つまり、意思表示にキズがあるわけなんです。そして、民法は、その意思表示を取消すことができるとしているわけです。




ところで、民法には取消しとは別に、法律行為・意思表示の法律効果を完全に生じなくさせるものとして「無効」が存在します。



取消しと無効の違いについて、詳しい説明はまた後日とさせていただきますが、簡単に言えば、


取消しは、取消権者の主張により、一応有効な法律行為の効果を遡って生じさせなくするということ(無効にする)。


無効とは、特定人の主張などいらずに、法律行為の効果は、最初から発生しないということ。




民法では、この無効とされる行為として、意思無能力者の行為・錯誤による意思表示・心理留保の但書き・通謀虚偽表示などがあります。



第93条 心裡留保
意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手方が表意者の真意を知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とする。


第94条第1項 虚偽表示
相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。


第95条 錯誤
意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。





そこで、これらの行為はなぜ取消しではなく、無効なのかという疑問が湧いてきます。




これは、民法は、私的自治という大原則の下では、「意思」 というものを重視していて、上記4つの無効とされる行為は、その表示に対する意思が完全に欠落しているからです。⇒「意思の欠缺」と表現します。




意思無能力者は、そもそも意思表示をする能力がないわけですから、なんかしら表示したとしても、そこにはそれに対応する意思というものは存在していませんし、錯誤の場合なら、表示に対する意思の不一致を知らないのが錯誤なわけですから、そこには表示に対応する意思はありませんね。



だから民法は、私的自治の原則の根幹をなす「意思」がない行為は、当然、最初から効力を発生させない方がいいでしょう、ということで、それらの行為は無効とするとしているわけです。




では、ここで、詐欺と強迫の話に戻ります。



詐欺による意思表示と強迫による意思表示はともに無効ではなく、「取消す」ことができるんだとされていますね。



これはなぜなんでしょうか?



次回は、詐欺・強迫がなぜ取消しなのか、そして、詐欺取消しと強迫取消しの違いから見る民法の勉強の仕方について学んでいきましょう。












お読みいただきありがとうございました。



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posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 19:21| Comment(0) | TrackBack(0) | (民法)詐欺・強迫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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