2014年08月13日

(憲法)「君が代」の伴奏と起立斉唱の拒否 その1




平成11年8月13日に、「国旗及び国歌に関する法律」(国旗国歌法)が施行されましたね。全2条からなる大変短い法律ではありますが、今回は、この国旗国歌、とりわけ国歌について争われた訴訟を取り上げてみようと思います。



※国旗国歌法についてはこちらを参照ください。⇒国旗国歌法




◆「君が代」のピアノ伴奏拒否事件(最判平19年2月27日)



【事案】

公立学校の音楽専科の教諭が、入学式の際に、「国家斉唱のピアノ伴奏をするように」との校長による職務命令を受けたが、同教諭はそれを拒否したため、戒告処分を受けた。これを不服とした同教諭は、当該職務命令は、憲法第19条の思想および良心の自由を侵害するものとして、当該職務命令処分の取消しを求めて訴えを提起した。



日本の教員には、国家や国旗、国歌というものにアレルギーを持つ方が多いように感じます。それはかつての日本における軍国主義による人権の侵害・蹂躙といったものを思い起こさせるからだというのが理由です。


なので、今回の事例のように、それを思い起こさせるような職務命令には、憲法を盾に取って裁判で争うというケースが多く見受けられます。


似たような裁判はいくつもありますが、今日はその中でも有名なものをピックアップしています。



【判旨】

「学校の儀式的行事において「君が代」のピアノ伴奏をすべきでないとして本件入学式の国歌斉唱の際のピアノ伴奏を拒否することは、上告人にとっては、上記の歴史観ないし世界観に基づく一つの選択ではあろうが、一般的には、これと不可分に結び付くものということはできず、上告人に対して本件入学式の国歌斉唱の際にピアノ伴奏を求めることを内容とする本件職務命令が、直ちに上告人の有する上記の歴史観ないし世界観それ自体を否定するものと認めることはできない。」

「他方において、本件職務命令当時、公立小学校における入学式や卒業式において、国歌斉唱として「君が代」が斉唱されることが広く行われていたことは周知の事実であり、客観的に見て、入学式の国歌斉唱の際に「君が代」のピアノ伴奏をするという行為自体は、音楽専科の教諭等にとって通常想定され期待されるものであって、上記伴奏を行う教諭等が特定の思想を有するということを外部に表明する行為であると評価することは困難なものであり、特に、職務上の命令に従ってこのような行為が行われる場合には、上記のように評価することは一層困難であるといわざるを得ない。
 本件職務命令は、上記のように、公立小学校における儀式的行事において広く行われ、a小学校でも従前から入学式等において行われていた国歌斉唱に際し、音楽専科の教諭にそのピアノ伴奏を命ずるものであって、上告人に対して、特定の思想を持つことを強制したり、あるいはこれを禁止したりするものではなく、特定の思想の有無について告白することを強要するものでもなく、児童に対して一方的な思想や理念を教え込むことを強制するものとみることもできない。」

「本件職務命令は、上告人の思想及び良心の自由を侵すものとして憲法19条に反するとはいえないと解するのが相当である。」





ここでは、



・君が代ピアノ伴奏の職務命令が、直ちに歴史観ないし世界観それ自体を否定するものではない。

・君が代ピアノ伴奏は、通常想定され期待されるものであり、特定の思想を外部に表明する行為ではないし、特定の思想を持つことを強制したり、禁止したりするものでもないし、特定の思想の有無についての告白の強制でもなければ、児童に対して一方的な思想や理念を教え込むことを強制するものでもない。




との理由で、当該職務命令を憲法第19条に反しないとしました。



その他にも、公務員の地位の特殊性や職務の公共性を理由に当該職務命令の合憲を導いています。詳しく判例を見たい方はこちらをご覧ください。⇒最高裁判例を知ろう!



次回は、これまた君が代訴訟ですが、今度は、ピアノ伴奏ではなく、起立斉唱行為が問題となった事件の判例となります。












本日もお読みいただきありがとうございました。



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posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 15:21| Comment(0) | TrackBack(0) | (憲法)人権 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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