2014年10月25日

(行政法)行政上の法律関係〜信義誠実の原則の適用〜





行政上の法律関係に、法の一般原則である信義誠実の原則が適用される場合があります。



民法第1条第2項(基本原則)
権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。




有名な判例をご紹介いたします。



宜野座村工場誘致協力拒否事件(最判昭56年1月27日)


【事案】

Aは宜野座村で工場誘致政策の下、工場建設を行っていたが、反対派村長の当選により当該政策への協力が拒否され、工場建設ができなくなってしまった。そこで、Aは宜野座村に対し損害賠償を求めて訴えを起こした。


【判旨】

「地方公共団体のような行政主体が一定内容の将来にわたって継続すべき施策を決定した場合でも、右施策が社会情勢の変動等に伴つて変更されることがあることはもとより当然であって、地方公共団体は原則として右決定に拘束されるものではない。しかし、右決定が、単に一定内容の継続的な施策を定めるにとどまらず、特定の者に対して右施策に適合する特定内容の活動をすることを促す個別的、具体的な勧告ないし勧誘を伴うものであり、かつ、その活動が相当期間にわたる当該施策の継続を前提としてはじめてこれに投入する資金又は労力に相応する効果を生じうる性質のものである場合には、右特定の者は、右施策が右活動の基盤として維持されるものと信頼し、これを前提として右の活動ないしその準備活動に入るのが通常である。このような状況のもとでは、たとえ右勧告ないし勧誘に基づいてその者と当該地方公共団体との間に右施策の維持を内容とする契約が締結されたものとは認められない場合であっても、右のように密接な交渉を持つに至った当事者間の関係を規律すべき信義衡平の原則に照らし、その施策の変更にあたってはかかる信頼に対して法的保護が与えられなければならないものというべきである。すなわち、右施策が変更されることにより、前記の勧告等に動機づけられて前記のような活動に入った者がその信頼に反して所期の活動を妨げられ、社会観念上看過することができない程度の積極的損害を被る場合に、地方公共団体において右損害を補償するなどの代償的措置を講ずることなく施策を変更することは、それがやむをえない客観的事情によるのでない限り、当事者間に形成された信頼関係を不当に破壊するものとして違法性を帯び、地方公共団体の不法行為責任を生ぜしめるものといわなければならない。」



Aは工場誘致政策を行っている宜野座村を信頼して、そこでの工場建設を行うことを決めたわけです。そこには「信頼関係」というものが存在しています。


しかし、反対派村長の当選とはいえ、いきなりの政策転換による工場建設中止(やむをえない客観的事情もければ代償的措置もない)という事態は、Aからすれば、まさに裏切り以外の何者でもありません。


判例は、このAの「信頼」を、信義誠実の原則から法的保護に値するとし、それを不当に破壊した宜野座村の不法行為責任を認めました。












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posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 21:32| Comment(1) | TrackBack(0) | (行政法)総論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして!!

人気ブログランキングをみて
こちらのサイトを拝見させていただきました。(≡^∇^≡)

とても興味深い内容のブログで、思わずコメントをさせて頂きました!

これからもサイト拝見させていただきます♪
Posted by 美穂 at 2014年12月30日 15:06
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