2015年07月20日

(民法)債権者代位権〜その2




債権者代位権についての民法第423条です。


民法第423条 債権者代位権
1 債権者は、自己の債権を保全するため、債務者に属する権利を行使することができる。ただし、債務者の一身に専属する権利は、この限りでない。

2 債権者は、その債権の期限が到来しない間は、裁判上の代位によらなければ、前項の権利を行使することができない。ただし、保存行為は、この限りでない。





今回は、債権者代位権を行使するための要件についてお話していきます。



要件はざっと5つあります。


1、債権者の債務者に対する債権が存在していること

2、債権者が自己の債権を保全する必要があること

3、代位の対象となる債務者の権利が存在していること

4、債務者が自らその権利を行使しないということ

5、被保全債権が原則弁済期に到達していること




[事例]

AはBに対して100万円の債権(a債権)を有している。しかし、Bは返済期限が過ぎても返そうとしない。Bには財産がほとんどないが、唯一Cに対する100万円の債権(b債権)を有している。




この事例をもとに5つの要件を検討していきます。



1、債権者の債務者に対する債権が存在していること



a債権のことですね。この債権を被保全債権といいます。保全される債権ということです。当然この債権が存在していなければ話は始まりません。a債権はb債権よりも前に成立している必要はありません。別に後で成立したものであっても構いません。代位権を行使する時に存在していいればいいわけです




2、債権者が自己の債権を保全する必要があること




本来、b債権を行使しようがしまいが、それは債権者であるBの自由なはずです。勝手にAがしゃしゃり出てきて権利を行使するなんてのは認められないはずですね。



しかし、民法423条1項は、「債権者は、自己の債権を保全するため、債務者に属する権利を行使することができる。」となっていて、



自己の債権の保全のためならBの権利に干渉してもいいと言っています。他人の権利に干渉することを正当化するのが「自己の債権の保全」ってわけですね。



具体的には、債務者の「無資力」を表しています。Bが無資力であれば、Aの債権は満足を得られなくなるわけですから、Aは自己の債権の保全のためならb債権に対して代位権を行使することができるというわけです。




3、代位の対象となる債務者の権利が存在していること



基本的に、代位の対象となる権利(b債権)には制限はありません。物権的請求権や形成権なども対象となります。しかし、債権者代位権は、責任財産を保全し強制執行の準備をする制度であるという点から、この目的からはずれるような権利は代位の対象にはなりません。(BがCに対して英語を教えてもらうよう請求できる権利など…)



そして423条1項には「ただし、債務者の一身に専属する権利は、この限りでない。」とただし書きがありますね。


一身専属権に対しては債権者代位権を行使することができないということです。



一身専属権とは、権利を行使するかどうかが債権者の意思に委ねられている権利のことで、行使上の一身専属権のことを意味しています。



ざっとあげておきます。



●認知請求権、離婚請求権、嫡出否認権など

●離婚による財産分与請求権、遺産分割請求権、遺留分減殺請求権、相続回復請求権など

●名誉棄損に基づく慰謝料請求権など



これらの権利は行使上の一身専属権として、基本的には債権者代位権の対象とすることはできません。




しかし、判例では例外をいくつか認めていますので、有名なものだけを紹介しておきます。












それはまた次回に…


お読みいただきありがとうございました。



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posted by 行政書士試験WEBアドバイザー YASUHIRO at 12:21| (民法)責任財産保全制度 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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